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オオクワガタ飼育

成虫編


オオクワガタの飼育の成虫編です。
成虫の飼育は幼虫と違ってエサやりが頻繁で結構大変。
そんな成虫のオオクワガタの飼育を少しでも楽しようといろいろ考えてみました。
でも、楽ばかりの追求ではありません。
ちょっとおしゃれなオオクワガタの飼育もご提案しております。


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繁殖に成功して成虫がどんどん増えてくるとその管理って大変ですよね。
まずは、成虫を入れておく容器。
最初に使用したのがペットショップなどで売られている飼育ケース。
サイズ的には「飼育ケース・ミニ」でも良かったのですが、エサのゼリーをケースの中に転がし
ておくとベタベタになってしまうので、エサ皿が入る大きさの「飼育ケース・小」に仕切りを入れ
て2分割し使用してました。

しかし、飼育頭数が増えてくると「飼育ケース・小」だと無駄に高さが高く、重ねられる量が少な
いため場所をとりすぎ。何かほかの容器を探さなくては。

100円ショップのコンテナを使用する方法がポピュラーのようですが、エサ皿の配置やエサの取替えの便利さなどを考えて、100円ショップで売られているフロッピーディスクのケースを使用することにしました。

和泉化成株式会社製の「フロッピー10」
もちろん100円です。

サイズは幅126X奥行138X高さ133

16gのゼリーを2つ置くことが出来る大きなエサ皿が、ちょうど入る大きさです。16gのゼリーを1つ入れるエサ皿ならもう少し余裕が出来て、まさに理想の大きさ。

オオクワガタがエサ台に乗ると天井に手が届いてしまいますが、一般の飼育ケースと違ってフタが格子状になっておりませんので、アゴでフタを挟んでしまい降りられなくなってしまう事がありません。

空気穴は開けなくても大丈夫。フタと本体に出来た隙間から、十分酸素を取り込む事が出来ますので、コバエが進入することもありません。



フロッピーディスクを入れる容器はたくさんありますが、和泉化成株式会社製の「フロッピー10」を選んだ理由が写真の可動部。

ほかのメーカーのものはほとんどが「首の皮一枚」でつながっているような可動部でしたが、この「フロッピー10」は可動部がちょうつがいのようになっています。

やっぱ「首の皮一枚」だと頻繁に開閉したり、落としたりしたらすぐに壊れてしまいそう。

その点、この「フロッピー10」なら耐久性抜群。しかも洗うときは本体からふたを取り外すことが出来てとっても便利です。

コンテナとの違いは開閉が片手で出来る点です。ゼリーを交換するとき、ベトベトの手でケースを触るのがいやなので、右手で開閉して左手でエサの交換が出来るこのケースは大変重宝してます。

「フロッピー10」を使うようになって分かった事なんですが「取ったふたをどこかに置く」って言
う単純な動作も数が増えると結構めんどくさいもんなんですよ。

エサ皿を入れておくのが一番良い方法ですが、クワガタはエサ皿をかじってボロボロにしてしまう事が良くあります。

針葉樹のエサ皿も試してみましたが、やはりかじってボロボロにしてしまいました。

エサ皿は100円程度でそれほど高いものではありませんが、それでも数がまとまるとかなりの高額になります。そこで最近では転倒死防止用として「インテリアバーク」と呼ばれている園芸用の木片を使っています。

しかし、最近はフロッピーディスクが姿を消してしまったため、フロッピー10がなかなか手に入
らなくなってしまいました。クワガタ飼育専門用品としては、コバエが入らずサイズもちょうど良
い「コバエシャッター(タイニー) 」がお勧めです。

ゼリーはじか置きになってしまいますが、転倒死防止用の素材としてはクワガタにかじられる
こと無く長持ちします。

期待の大型のオスは、「プラスチックケース(ミニ) 」または「コバエシャッター(ミニ) 」で飼育しています。転倒死防止用に産卵木の廃材やインテリアバーグを利用しています。

一番悩んだのはエサのゼリーです。
16gのゼリーでは容器にアゴを刺してしまう事故が多発します。

かといって大きなゼリーでは食べ終わる前に腐ってしまい無駄が多すぎます。
私が使っているのは30gのゼリー。
30gのゼリーでもアゴが刺さらない硬い容器のものを買いました。

必要なのは中身ではなく容器です。
食べ終わった30gの硬い容器は水洗いして何度も使いまわします。

30gの容器の中に16gのゼリーをプリンのように落としてあげれば、アゴの大きいオスでも食べるのにそれほど苦労する事はありませんし、ゼリー容器にアゴを刺してしまう事故も起きません。

エサも無駄になりませんし、なによりメスと同じ16gのゼリーが使えるため、まとめて買えて経
済的ですし、在庫の管理も楽です。

数が増えてくると問題になってくるのが個体識別。
一番簡単なのが個体に識別番号を振ってしまう事。オオクワガタは「住基ネット」だろうが「国
民総背番号制」だろうが文句は言いませんからね(笑)。

振った番号は飼育ケースにでも張っておけばよいのですが、メスの場合交尾時にオスのケー
スに移ったり、産卵ケースに移動したりで、どのメスがどのケースに入っていたのか判らなくな
ってしまう事も。

そこで、メスと一緒に番号を書いたシリアルカードも移動させることにしました。
でも、カードをケースの上においておくのも邪魔だし、かといって中に入れるとぐちゃぐちゃに
なっちゃうだろうし・・・・

そこで考え付いたのがラミネーター。
普通に言うところのパウチってやつ。

本当ははがきサイズが出来る程度の安いやつを買う予定だったのですが、近くのホームセンターに売っているかどうか電話で問い合わせたところ、偶然にも数量限定の目玉商品になっていると言われて飛んでいって買ってきたのがこれ(笑)。

値段は3000円でした。

はがきサイズでよければ2000円くらいからあるようです。



これでシリアルカードをラミネート加工してしまえばシリアルカードをオオクワガタと一緒入れてしまっても問題なし。

早速、管理ソフトでプリントしたシリアルカードをラミネート加工してみました。

ラミネート用のフィルムはいろいろなサイズのものがありましたが、一番小さいIDカード用(57X82)を使用しました。

フイルムにカードを挟んでラミネーターに入れると・・・・ファックスのようにカードが巻き込まれ反対側から出てきたときには、しっかり熱くなってラミネートされていました。ほんの10秒足らず。

さすがに数が多いと大変です。でも、一年に1回羽化のシーズンだけですからね。

それに、累代飼育には個体管理がとっても重要ですから続けて行きたいと思います。

ラミネート加工されたシリアルカードとオオクワガタを「フロッピー10」に入れて出来上がり。

60cmの熱帯魚用水槽を使って観察用にレイアウトしたのが下の写真。
熱帯魚用にコレクションしている流木を使用し、小さな鉢に植えてある観賞用の植物をマット
に埋め込んでレイアウトしてみました。

テラリウム水槽は乾燥が激しく、植物に水を補給するのに結構手間がかかりますが、週に一
度ほどのペースなので、エサ替えと同時に行ってます。

エサやメスの奪い合いや縄張り確保など、より自然に近い姿を観察できるのでとてもお気に
入り。ゴロンと横になって眺めているとあっという間に時間がたってしまいます。



正面から見たところ

右側の拡大図

左側の拡大図

こちらは陰性植物バージョン
実際のオオクワガタは日当たりの良い場所を好むそうなので
リアリティーに欠けて却下(笑)。
植物も乾燥に耐えられないかもしれませんしね。

オオクワガタの成虫の冬の管理につきましては、温室などにいれず、自然な状態で冬眠させ
てあげる事をお勧めします。活動しない冬眠を挟む事により寿命が延びますし、なにより四季
を感じさせてあげる事により、確実な繁殖へと導く事が出来ます。
 
オオクワガタの成虫の冬眠は、温度管理と湿度管理さえ出来ればそれほど難しいものではあ
りません。通常飼育しているケースをそのまま使用し、十分湿度を持ったマットを多少厚め(2
〜3cm)に敷いてあげるだけで、特別な準備も要りません。

ケースは0℃以下にならないような場所に置き、マットが乾燥していないかたまにチェックし、
乾燥しているようでしたら霧吹きしてあげるだけですので管理も簡単です。

私は裏技として乾燥を防ぐのにエサの昆虫ゼリーを使用しています。ゼリーはほとんどが水
分で出来ているため、空気が乾燥するとゼリーに含まれる水分が徐々に蒸発し、ケース内の
湿度を適度に保ってくれます。ゼリーですので一気に乾燥してしまう事が無く、かなり長い間、
効果が持続します。

ケースの置き場所にもよりますが、100円ショップで売られているフロッピーディスクケースの
ように、ある程度密閉されていて水分が蒸発しにくいケースなら月に一度、フタが網目状にな
っている飼育ケースを使用している場合は半月に一度程度マットの乾燥具合を確認し、乾燥
しているようでしたら霧吹きをします。その時にゼリーも乾燥してしまっているようでしたら新し
いものと交換します。

ゼリーはそのままエサとなりますので、春先にエサを与えるタイミングに悩む必要がなくなりま
す。また、ゼリーは糖度が高く腐りにくい上、冬の間は気温が低い事もあって、夏のように時
間とともに発酵したり腐ったりして異臭を放つ心配はありません。

冬眠の間に一番注意しなくてはならないのが冬眠を邪魔してしまう事です。
オオクワガタの成虫は冬眠明けの活動用に体内に栄養を蓄えておりますが、冬眠を邪魔され
て目覚めるたびに、この栄養を消費してしまいます。頻繁に冬眠の邪魔をされると最悪栄養
が尽きて死んでしまう事にもなりかねません。

冬眠中のオオクワガタは、騒音や振動などでは決して目覚めませんし、多少いじったくらいで
も目覚める事はありませんが、気温が上昇すると簡単に目覚めてしまいます。ですので、冬
眠中のケースを日の当たる部屋に置いたり、暖房の効いた部屋などに置かないようにしてく
ださい。

日の当たらない屋外や物置、そういった場所が無い場合は、室内でも比較的気温が低い玄
関や床下収納など、気温が上がってオオクワガタが目覚めないような場所を探してみてくださ
い。ただ、冬の室内は思った以上にマットの乾燥が進みますので、ケースを室内に置く時は
湿度管理をこまめに行う事を忘れないでください。

とりあえず、これが今現在の私のオオクワガタの成虫飼育方法です。
新たな発見や工夫が出来たら随時更新していきますのでお楽しみに。
次はペアリング編

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