温室といっても私が作ったような洋服ダンスを利用したようなものではなく、骨組みから組み立てた本格的な温室です。温室というよりブリードルームの方が適切かな?。
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見てください。補強のスジカイまできちんと計算された骨組み。スジカイがプランプランしているような欠陥住宅ばかり建てているどこぞの建設業者に見せてあげたいですね(笑)。
情熱なくしてできない作業。まさに大人の趣味!。
「私もいつかは・・・」ってあこがれちゃいます。 |
家の前に突然こんなものが現れたら、ご近所さんは不思議に思うでしょうね。
「子供部屋かしら」「それにしては小さくない?」
好奇な目にさらされる奥さんのご心境、お察しいたします(笑)。
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周りを合板で囲った後は保温加工。
エアコン代を節約し、ご家族のご理解を得るためにも欠かせない作業です。
柱の間からスジカイで仕切られた三角形の部分まで、丁寧に断熱材が埋め込まれています。
お見事!。 |
この作業は時間との戦いだったそうです。
猛暑からクワガタを救い出すために、一日も早い完成が求められました。
しかし、夜遅くの作業は近状迷惑。
仕方なく、お仕事の残業分は家でやることとし、早い時間に帰宅。
温室製作を近所迷惑にならない時間までがんばって、その後お仕事をこなしていたそうです。
それでもわずかな時間しか製作に当てられず、総製作日数は1ヵ月。
私に言わせれば「そんな状態でよく1ヶ月でできたなぁ〜」といったところ、驚きです。
それにしてもクワガタにかける情熱が半端じゃないですね。
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更に断熱効果を高めるべく、壁と天井には浴槽に使うシルバーの保温シートが張ってあります。
そして主役のエアコンもばっちりフィット。
手作りならではですね。
床板もピカピカのフローリング調。こういうところにこだわるのがいいんですよね。 |
さて、このブリーディングルームをどこに設置したと思います?。
地方ならお庭の隅にでも置いておけるのですが、住宅状況の厳しい都会。そんなスペースはありません。
次の写真を見たとき、私は目を疑いました。
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えっ、もしかしてあの茶色いのが温室!?。
2階の張り出したベランダの下、1階の物置の上。
ぽっかり空いたスペースに、ぴったり収まったブリーディングルーム。まさに驚きです。
そうなんです。すべての設計の基準はこのスペースにきっちり収まることが前提になっていたんです。 |
見事計算通り収まっているブリーディングルーム。
しかし、あの場所で組み立てるのは不可能。持ち上げるにしても人手では無理。
仮にクレーンで吊り下げたって、ベランダが邪魔であの場所に置けるわけない。
「いったいどうやって・・・・」
しかし、ご本人も良い案がなかなか浮かばなかったようで、完成するにつれドンドン重たくなっていくブリーディングルームを眺めながら「どうするべか〜」と悩んでいたそうです(笑)。
そして、とりあえず「なんとかなるさ」って感じで作業を進めていたそうです。
30pのワニを飼い始めたのに、いつの間にか3mに成長し、それでもエサを与えなくてはならない心境ですね(笑)。
結局パイプで足場を作り、借りてきたクレーン付きトラックでブリーディングルームをその上に乗せ、レールを使って奥にスライドさせる方法で解決なされたようですが、そこにはブリーディングルームだけでなく、手伝ってくださったご家族の生死をもかけた過酷で緻密な作業が待っていたようです(詳しくは末尾のリンクからどうぞ)。
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曲芸ともサーカスとも神業ともいえる作業でスッポリ収まった温室。
防水のためのコーキング加工や、エアコンの廃熱問題などを処理して作業終了です。
完成したときの喜びは言葉に表せなかったでしょうね。
かわいいお嬢さん、これがネットデビューかな?。
そういえば子供の頃あこがれた大木の上の小屋に似てますね。お子さんにとっては秘密基地かな?。 |
いや〜、しかし見事な作品、見事な情熱、そして見事なクワ馬鹿ぶり。
世の中にはすごい人がいるもんですね。
庭の空地にブリードルームを建てたというクワ馬鹿話は聞いたことがありますが、空地の確保が無理な都会にもかかわらず、突飛な発想とズバ抜けた行動力で空中に自作のブリードルームを作ってしまった超クワ馬鹿話は初めてです。
これほどの物を作ってしまうkenさんには感服いたしました。
しかし、これほどの物を作ることをお許しになった奥様にはもっと感服しました(笑)。
kenさんからメールで直接ご説明の頂いております。その全文がこちらとなっております。 |