30℃以上
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蛹化を急ぐ幼虫が多いようです。
低い温度から30℃への温度変化で蛹化のスイッチが入るわけではなく、産卵時から30℃程度で飼育したとしても、オスでさえ4ヶ月程度で蛹化してしまうこともあります。
もちろん、成長を犠牲にして蛹化を急ぐわけですから、とても小さいサイズで羽化する事になります。
この温度帯の使い方としては、例えばもう十分成長し、あとは無事蛹化するのを待つだけといった幼虫に適していると思われます。 |
27℃〜29℃ |
今一番気になっている温度帯です。
消化しにくい朽木を食料としているのですから、26℃よりもう少し高い温度帯の方が発育に適しているのではないかと考え実験中です。
同様に朽木を主食としている日本のシロアリは28℃を適温としているという説もあります。 |
24℃〜26℃ |
活動的な幼虫が最も多くなるようです。
通常日本の昆虫ですと24℃が一番適温のように思われますが、朽木の中は保温効果が高く、朽ちる時の発熱等もあるので、クワガタの幼虫は多少高めの温度に順応したのではないかと思います。
この温度帯では自然に近い無理の無い成長が期待できると思います。
体の成長がバランス良く進み、幼虫の体に多くの負担をかけることなく孵化や脱皮が出来ると思います。
ただ、蛹化までスムーズに行ってしまうと大型が狙えなくなってしまいますので、大型を狙うならこの温度帯での飼育は3令前期までとすべきでしょう。 |
22℃〜24℃ |
冬眠するには高すぎ、蛹化するには低すぎる微妙な温度です。
活動はかなり鈍くなり、何日もじっとしている状態が続く事もあります。
もともと消化しにくいものを食べている上に温度が下がり、消化日数がより多くかかっているのが原因と思われます。
幼虫たちは蛹化しても成虫になるまでに冬になってしまうと判断してか、蛹化する個体が少ないのが特徴です。
3令になった幼虫を蛹化させず、じっくり成長させるには最適の温度帯です。
逆に割り出し後から3令までの成長期をこの温度帯で過ごすと、ちょうど冷夏の影響受けたように発育不良になってしまいます。 |
18℃以下
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幼虫たちは冬眠の支度を始めます。
皮が硬くなって弾力を失い、全体的に黄色味を帯びてきて、動きがかなり鈍くなります。温度を高くすれば冬眠状態から回復しますが、20℃ちょっと程度では回復しない個体もおり、かといって25℃近くにするとそのまま一気に蛹化してしまう可能性が高くなります。
冬眠からの回復方法が難しいので出来れば避けて通りたい温度帯です。
しかし、もう十分成長し、あとは蛹化を待つだけとなった幼虫に1度冬眠を経験させるのも、確実に蛹化させるための理にかなった方法と思われます。 |