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2006年4月14日 生命保険比較
「保険料は増えないといったのに、増えるじゃないですか」

新しいプランを持ってやってきた保険のおばちゃんに、言っている事と書いてある事の矛盾を突きつける。

「あ、これは違います」

だまそうとしたのがばれたのだから謝るのかと思いきや、とぼける戦法で来た。

「この保険は死亡保障があるので増えているんです。死亡保障がない場合は保険料は増えないんです。死亡保障はいらないとおっしゃられましたよね。」

確かに死亡保障はいらないといった。それに死亡保障がないと保険料は増えないかもしれない。しかし「死亡保障が要らない」という前に「この保険は保険料が増えますか」と聞いたはずだ。

保険料が増えないというのが大前提だったから、保険料が増えないことをまず確認した。
その時彼女は「保険料は増えない」と言ったからその先の説明を聞いたんだ。
そして説明が進むにつれて死亡保障500万円が付いている事がっ分かったのだから、どう考えたって彼女はウソをついている。

裁判で「言った」「言わない」となれば私の負けでしょうけど、この場合勝ち負けは関係ない。
私はこの保険のおばちゃんがウソをついていることを知っている。
もうこの保険のおばちゃんは信用できない。

「いろいろ相談に乗ってもらいましたけど、今回は変更せずにこのまま自動更新にします」

保険のおばちゃんは全てを察して引き下がってくれるものだと思っていましたが、どうあっても引き下がらない。新しい保険の利点をいっぱい並べたかと思ったら、今度は今の保険の欠点まで並べ始めた。

そして、そこには私が知らなかった驚愕の事実が!。

「新しい保険は入院保障が80歳までですが、今の保険は60歳までなんですよ」
「そんなことないですよ。だってここに80歳までって書いてあるじゃないですか」
当時もらったパンフレットには「80歳まで保障」と明記されていた。

「60歳の払い込み終了時に、80歳までの保険を一括で払い込んだ時に保障されるという事なんです」
「そんな事、どこにも書いてないじゃないですか」
「ちゃんと書いてあるはずですよ」

保険のおばちゃんがパンフレットを隅々まで調べてやっと見つけた。
そこにはこう記してあった。

保険支払い期間満了時から80歳ま
での傷害特約・災害入院特約・疾病
入院特約・ガン入院特約・成人病入
院特約・ファミリー保険特約(終身
タイプ)の保険料は、保険料払込期
間中に一括してお払込いただき
ます。現行利率による特約一括前
納保障・・・
1,200,000円

白地にスカイブルーの字で非常に読み辛い。しかも、字がめちゃくちゃ小さい。
何とか読み終えて、保険のおばちゃんに私の要約が正しいかどうか質問する。
「80歳まで入院保障してほしかったら60歳までに120万円一括で払えって事ですか?」
「いいえ、それは当時の金額でして、今の金額は・・・・」
手元に置いてある大量の資料の中から1枚の紙を取り出し「この金額ですね」と指差す。

そこには200万円の文字が!。

「そんなの払えるわけないじゃないですか!」

60歳を過ぎて、これから入院保障が必要になるというまさにその時、200万円ものお金を一括納入できなければ解約に追い込まれる。

「入院の可能性が高くなった被保険者を、いかにして解約させるか」
そのために考えられたシステムだが、こんなシステムは人間の考え付くようなものじゃない。
悪魔の入れ知恵としか思えない。「老後は守ってあげるから」と若者から金銭を巻き上げ、
いざ老人になったら契約を盾に、ムチ打って追い出すような悪魔のシステム。

「こんな事、恥ずかしげもなく良くできるもんだ・・・」
感心した。

「200万円だなんて、あまりにも高額すぎませんか?」
「月額に換算すると8300円程度ですので、年齢から計算するとお安いですよ」
確かに月額なら安いかもしれないが、それを一括で収めろというのは常識の範疇を超えていないか?。まあ、それが病気がちな老人を追い出すための保険屋の戦略なのだから今更言っても始まらないか。

と、その時、この悪魔のシステムから脱却できるかもしれないものをパンフレット上に見つけた。それはパンフレットの一番上、一番目立つところにデカデカと書かれた数字。

60歳時の積立配当金累計額 約300万円

「60歳のときに配当金として300万円もらえるって事ですよね」
「いえ、それも違います。当時は利率が高かったので、それくらいの配当を見込んでおりましたが、ここ10年程無配当ですので、今現在では30万円ほどしか配当金は貯まっていません」

これから先、急激な景気回復でもない限り配当は再開されないだろうから、60歳になっても配当金は30万円のままでしょうとの事。

「そんな・・・だって、ここにちゃんと300万円って書いてあるじゃないですか」
「いえ、積立配当金の前に青丸が付いていますよね。青丸の注意書きはこちらになっています」

記載の配当数値については・・・中略・・・今後変動(増減)することがあります。

「注」とか「※」とかなら分かる。ただの「」だよ。その「」が注意書きに繋がっているマークだなんて、誰も気が付くわけないでしょ。それに「増減する」という言葉の解釈で、10分の1になるかもしれないなんて誰も想像しないでしょ。

一括払込金額が120万円って書かれているのに、200万円になるのもおかしい。
配当金額が300万円って書かれているのに、30万円になるのもおかしい。
どう考えたって保険会社のやりたい放題。
通常の商慣例どころか悪徳業者の違法契約さえ凌駕している。

もうこの保険会社とは話をする気もうせた。

保険のおばちゃんもとりあえず帰っていった。

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