<ロンググローブ 編>
今回も 「福の神」さんでのボートシーバス。今年は例年になく乗船機会に恵まれとてもラッキー。
とは言うものの、正規の予約としては本年度はこれが最後。シーバスが釣れ続けていれば、もう一度乗るチャンスはありますが、さすがに11月下旬ともなると、シーバスが釣れ続ける可能性は低く、実質的に最後と言う事になるでしょう。
午前5:30出港。
前回の釣行から1週間しかたっていないとは思えないほどの気温の低さ。
アンダーウェア、ポロシャツ、パーカー、防寒ジャケットと、完全なる防寒装備でしたが、船が移動中はあまりの寒さに、コンソールの後で風を避け、ブルブルと震えておりました(笑)。
ポイントに到着。前回絶好調だったストラクチャー群です。
風は冷たい北風。キャストに悪影響を与えて釣果を落とす程強くなく、逆に水面をバチャバチャと波立たせ、シーバスの活性を上げてくれそうな風。
海水はかなり澄んでおりますが、今にも泣き出しそうな暗い空のおかげで、シーバスに無駄な警戒心を与えてしまう事はなさそうです。
セットしたルアーはもちろんタイトスラローム。
ロッドから伝わる感覚に全神経を集中させてリトリーブしていると、前回、絶好調だった時の記憶がよみがえって来ます。
「このストラクチャーで、このリトリーブコース。これならシーバスは確実に食ってくる」
シーバスがバイトした瞬間に備え、神経を研ぎすませておりましたが、ルアーは何事もなく海中から生還してしまいました。
「ひぇ〜」
多少リトリーブコースがずれても、1ヶ所で軽く2、3匹の釣果は上がっていたストラクチャー群ですが、それがたったの1週間で、状況はかなり悪化してしまったようです。半分近くのストラクチャーでシーバスの反応は見られず、たまにシーバスがチェイスしてくるのが見えても、なかなかヒットに結び付ける事ができません。
運良く釣れても40cm前後の小さなシーバス。前回75cmオーバーを出したオープンエリでさえ、多少反応は良かったものの、上がってくるシーバスは30cmに毛が生えたようなものばかり。
既に他のボートの叩かれてしまっていたのか、それとも急激な気温の変化が災いしたのか、
はたまた昨日の雨が悪かったのか・・・・。
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60cmサイズのシーバスがポンポン上がっていた前回が嘘の様。
今回は「超大型」の部類に入ってしまった60cmにも満たないシーバスを写真に収め、次のポイントに移動です。 |
今回は、また新しいものを持ち込んでみました。新しいものと言っても単なるグローブなんですけどね。親指と人差し指、それに中指の指先がカットされているフィッシング用のグローブです。
スナップを買いに近くの釣具店に行った時、1000円で売っていましたので、試しに買ってみたのですが、これが結構良かった。ラインを結ぶと言った細かい作業の時、邪魔になるだろうと思っていたのですが、そんな事はまったくなく、わずらわしさを感じるどころか、つけている事を忘れてしまうほど。
水に濡れたグローブなんて、付けていない方がましと言う事は、スキーの時、散々経験してきましたので、最初のうちはグローブをぬらさないように細心の注意を払っていたのですが、グローブを濡らしてしまう場面と言うのは思ったほど多くなく、それほど注意しなくても、グローブが水に濡れてしまう事はありませんでした。
で、指が3本出てるとは言え、冷えやすい手の甲などはしっかり防寒してくれるので、かなり暖かい。こんな事ならもっと早く購入しておけばよかった。
ただ、ひとつだけ欠点が。それは手首。買ったグローブは、スキーのグローブのように手首までしっかりガードしてくれるようなものではなく、裾の短いものでしたので、ジャケットの袖をいっぱいに伸ばしても、動いているうちに手首の部分が露出してしまいます。
手も暖かい、腕も温かいとなると、ほんの1cm幅でむき出しになってしまった手首が、まるで切れるように痛い。
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と言うわけで帰宅後、手首をしっかりガードしてくれる グローブ
を速攻で購入してしまいました。
これさえあれば、寒い季節の釣行でもワンランク上の暖かさが得られそうです。
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さて、釣行の方はシーバスの群れを求めてあちこちポイントを移動する時間帯が続きます。
どこへ行っても小さなシーバスがそれなりにアタックして来てくれますので、釣りとしては十分楽しめるのですが、前回の記憶が鮮明に残っているだけに、ちょっと物足りない。1日中走り回って10匹も釣れないと言う日もあるのですから、どこに行ってもそれなりに反応がある状況に文句を言ってはいけないのでしょうけど・・・何度も言うようですが、釣り人というのは欲深い生き物なのです(^_^;)
迷走する事数時間。やっと深い欲望を多少満足させられるシーバスの群れを発見。
50cmを超えるサイズの入れ食いが始まりました。
「おっしゃ〜、ヒット!」
ヒットしたシーバスに、2匹3匹と別のシーバスが付いて来て、仮にばらしてしまっても、外れたルアーにすぐにアタックしてくる盛況ぶり。セイゴの相手ばかりしていましたので、50cmちょっとのシーバスでも、60cmを超えたサイズに感じます。60cmサイズが50cm程度に思えた先週とはまったく逆の感覚。
しかし、お祭り騒ぎはあっという間に終わってしまいました。
「よしだっちさんが大声で騒ぐから魚がびびっちゃった」
なんて、船長のタムラさんに言われてちょっとショック(T_T)
とは言うものの、ワンキャスト、ワンヒット状態はなくなってしまいましたが、その周辺のストラクチャーを攻めると、50cm前後のシーバスがちょくちょく顔を出してくれます。
食ってくるのは決まってリトリーブの終盤。
ルアーが上を向いたのを見計らって、真下からスパーンと食い上げて来ます。
そのスピードは驚くべき速さ。水は澄んでいますので、かなり深い所まで見えるのですが、それよりさらに深い場所、光が届かない暗闇から突然現れ、まるで瞬間移動でもしたかのように、あっという間に水面近くのルアーを食い上げます。
そんなとてつもないスピードでルアーに襲い掛かったにもかかわらず、ルアーを食った次の瞬間、シーバスはピタッとその場所で静止します。水の抵抗は空気の800倍もあるとは言え、とても信じられない運動性能。
人間の反応速度なんて速くても0.6秒。さらにロッドを煽って合わせを入れる頃には、シーバスはすでに2度3度とヘッドシェイクをしています。そりゃそうですよね、運動神経が鈍いと言われる人間でさえも、ごはんを食べている最中にガリッと硬いものを噛んだ時には、瞬時に噛むのが止まるくらいですから。
下から高速で食い上げ、ピタッと止まった次の瞬間にはヘッドシェイク。
ヘッドシェイクと言うと、高速でプルプルプル・・・と言ったものを想像しがちですが、今回は違いました。頭と尾びれがくっつけと言わんばかりに大きく体を湾曲させ、1秒間に3回ほど、力強くブンブンブンと体を左右に反らせます。
ブンブンブンブン・・・
シーバスは食い上げて、そのまま頭を上にした状態で、立ち泳ぎ・・・と言うより、その場に浮遊しながら力強いヘッドシェイクを繰り返します。
こちらは足場が高い船首。しかもシーバスはルアーが上を向いたのを見計らって食ってきますので、食った所はもはや足元とも言える様な場所。ですのでヘッドシェイクに耐えながらラインテンションを保とうとすると、必然的にラインに上向の力を与え続けなくてはなりません。
しかし、シーバスは浮遊しながらヘッドシェイクしているだけですので、上に引っ張れば上に浮いて来ます。ルアーを食った場所は足元なので、当然浅いレンジ。ほんの数秒でシーバスは水面まで上がって来てしまいます。
ヘッドシェイクしているシーバスを水面に上げてしまえば結果は火を見るより明らか。抵抗が大きい水中でのヘッドシェイクが、抵抗の少ない空気中のでエラ洗いへと移行し、あっという間にバラシです。
上向に与えているテンションを横向きに変えなければなりません。
絶えず一定のラインテンションをかけながら、急いで上に構えたロッド下向きに変える。
細心の注意を払いつつ、大胆かつ慎重に。
半円を描くようにして、うまくロッドを下向きに変えると、竿先を海水に突っ込むようにして、シーバスに対して水平方向の力を加える。残り少ないラインを巻き取りながらラテンションをかける愚を避け、船首から船尾へと移動する事で、ラインに水面と平行の力をかけ続ける。陸っぱり出のシーバサーだから出来る発想。
しかしここで問題が生じる。
上向にラインテンションをかけている時、ルアーのフックは「し」の字。そこに上を向いたシーバスが吊るされている訳ですから、シーバスが左右にヘッドシェイクしても、ちょっとやそっとじゃ外れない。
しかし、横向きにラインテンションをかけるとルアーのフックは「つ」の字に向きを変える。上を向いたシーバスは頭を左右に振るだけで、「つ」の字の払いの部分から簡単に抜け出してしまいます。
となると、上を向いたシーバスを如何に早く横向きにするかで勝負が決まる。
そう、「し」で上を向いたシーバスを、「つ」で横を向いたシーバスに変えれば、力学的にはほとんど変化はない。上を向いてヘッドシェイクをしているシーバスを引きずるようにして、半ば強引に横を向かせる。
「あ、ばれた」
あるものは「つ」の字に向きが変わったフックをヘッドシェイクでスルリとはずし、またあるものは横向きに引っ張った力に耐えかねてブチッと口切れを起こし、バラシの山がドンドン積みあがっていきます。
「そんなに強引にやらなくても〜」
「竿先を下に向けるだけで大丈夫だって」
「も〜、よしだっちさんは、やっぱバラシの天才」
ばらすたびに、船長であるタムラさんの厳しいお言葉が飛び交います(^_^;)
何で食った瞬間に静止するのか、何でルアーをひったくって行かないのか、何でラインを引っ張りながらヘッドシェイクしないのか、理由は分りませんが、なぜかここのシーバスは判を押したように食った後、上を向いて浮遊しながらヘッドシェイクを繰り返し、簡単にはラインテンションをかけさせてくれません。
「いや、ここのシーバスは違うんですって!足元で真下から喰い上げてくるんですって!」
「浮遊してヘッドシェイクするんですって!ラインテンションを保つのが難しいんですって!」
釣りをしながらでは、うまく状況が伝えられない。
「バラシの天才」という称号が定着してしまいそう(^_^;)
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そんなこんなで、なんとかGET数を増やし、70UPとまでは行きませんでしたが、サイズアップも図れました。 |
その後、降り出した小雨の中、またシーバスの群れを求めて迷走が始まりましたが、どこもかしこも先週ほどの勢いはなく、最後はセイゴ相手に今日のシーバス釣りの余韻を楽しみつつ、納竿といたしました。
先週のインパクトが大きかっただけに、なんとなくパッとしない状況のようでしたが、終わってみれば釣果は上々。とても楽しい釣行でした。
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