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カナヘビの産卵
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交尾が終わったメスは、胎内に宿った我が子に少しでも多くの栄養を与えようと、エサをたくさん食べるようになります。
エサが豊富な飼育下では、たくさんの卵を胎内に宿します。
そしてその卵が順調に成長すると、メスのお腹は、はちきれんばかりに膨らみます。
歩くのもままならないほど膨らんだお腹、ここまで来るともうすぐ産卵です。
カナヘビは、産卵の予兆がはっきりしているため、産卵を観察するのは比較的簡単です。
手軽にエサが手に入る水槽内ではハンティングにそれほど時間がかかりませんので、卵を宿したメスはほとんど動かず、卵の殻に必要なカルシウムを精製するためと、食べたものの消化を良くするために、日光浴ばかりしています。
しかし、産卵の1日くらい前になると、突然活発に動き回るようになります。
水槽のガラス面をしきりによじ登ろうとしたり、落ち葉やシェルターの下をウロウロしたり、時には木から金網のフタに飛びついて背面歩行をする事さえあります。
身重だと、普段に増してじっとしていることが多いので、この行動の変化はすぐに気が付くと思います。産卵に適した場所を探しているようです。
カナヘビは産卵と冬眠のとき以外は土を掘る習性が無いため、水槽の隅などを掘る行動が見られたら産卵間近です。
やがて、産卵場所を決めると産卵の準備を始めます。
我が家で飼育しているカナヘビは必ず水槽内に置いてある流木の下に卵を産みます。
石で作った丈夫なシェルターがあるのですが隙間が3cmほどありますので、ヘビやネズミの侵入を警戒してか、ここでは一度も産んだことがありません。また、簡単にどかすことが出来る落ち葉の下なども産卵場所としては魅力がないようです。
流木の下にはカナヘビが通れない程のわずかな隙間があるのですが、カナヘビはこの隙間に自分の体を無理やり押し込むと、前足を使って土を掘り出し、隙間を広げていきます。
画像にポインタを合わせてみよう。クリックしちゃダメだよ
ある程度隙間が出来ると、今度は手と頭を使い周りの土を押しのけて、産卵に適したスペースを作り上げます。
連続写真は
こちら
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産卵スペースは一気に作り上げるのではなく、少し掘ると日向ぼっこをし、また少し掘るとエサを捕まえ行き、といった感じのとても気ままな作業です。
産卵スペースを作り上げるまでの時間は個体によってまちまちで、掘るのを手がけてから実際に産卵するまで数時間かけるメスもいれば、数十分程度でササッと手ごろなスペースを確保して産卵を開始してしまうメスもいます。
産卵直前になると、カナヘビは産卵スペースの上でじっとして動かなくなります。
やがて大きく膨らんだ下腹が、1秒間に1回程度の間隔でピクピク痙攣するようになったら産卵開始です。
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卵を産む間隔は比較的短く、数秒から長くても1分程度の間隔で次々に産み落とされます。
産卵する卵の数が多いと、前に生んだ卵を後ろ足で蹴飛ばして移動させるような動作も見られます。
連続写真は
こちら
カナヘビは腰を上げ、さらに尾をアーチ状に高く持ち上げて卵を産み落とします。
産卵する時間帯は日中です。
産卵が終わった後の行動は、個体によってさまざまです。
2時間近くも卵を尾で抱きかかえ、まるで卵を守るようにしていたカナヘビもいましたが、ほとんどのメスは産卵後数分で立ち去ります。
卵の短径(胴回り)は個体によらずほぼ同じですが、長径(長さ)は産卵する時によってまちまちです。
鶏の卵に近い形をした時もあれば、薬のカプセルの様に細長い時もあります。
産卵数が多いときは長径が短い鶏の卵型、産卵数が少ないときは長径が長い薬のカプセル型になるようです。
卵を産む数はメスの栄養状態によって変わるものと思われます。
栄養状態が悪いときは産卵数を減らし、その代り余裕のある胎内スペースをフルに使い、どんな乾燥にも耐えられるよう、水をたくさん蓄えた大きな卵を産むのではないでしょうか。
カナヘビが一度に産む卵の数は、我が家では一番多くて7個、一番少なくて2個でした。
産卵が終わるとすぐに次の卵を宿しているようで、早いときには10日程度のサイクルで次々に産卵します。
捕まえてきたかなへびが高確率で卵を産む理由が良く分かります。
また、これだけ繁殖力があるという事は、かなへびは捕食者として「草原の王者」に君臨しているのではなく、鳥や猫など他の動物に食べられる弱者の立場にあるようです。
6月から7月にかけてカナヘビは盛んに産卵を繰り返しますが、8月に入るとほとんど産卵しなくなります。8月に卵を産むと孵化するのが9月になり、子カナヘビが冬眠に耐えられるまでに成長する前に、冬が来てしまう事を本能的に知っているようです。
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