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2006年4月22日 カナヘビの水浴び
新しい水槽を用意したのは先々週。
そして先週、カナヘビたちを冬眠から目覚めさせるために、寒い裏庭に設置した冬眠用の水槽から、新しく用意した私の部屋の水槽に移そうとした時、大変な事に気が付きました。

「エサが無い!」

そう、カナヘビたちは冬眠で腹ペコ。暖かくなればエサを求めて活発に動き回ります。
ネットでコオロギを買っておかなくてはならなかったのですが、忙しくてついうっかり忘れてしまっていました。

冬眠から目覚めたのにエサが無かったら、ひたすらエサを求めて水槽の中を動き回り、やがて餓死してしまうでしょう。

「冬眠から目覚めさせるのは来週だな」
しょうがないですね。

そして忘れないようにすぐにエサ用コオロギを発注。
翌日に送られて来たコオロギは、カナヘビたちより一足早く新しい水槽に移しました。
カナヘビもすぐに移す事は出来たのですが、そこはやはりゆっくり観察できる週末まで我慢です。

そして、本日やっとカナヘビたちを冬眠から目覚めさせる事に。

すばしっこいイメージとは裏腹に、冬眠中のカナヘビは触ってもほとんど動きません。
尻尾を軽くつまんでプラスチックケースに移し、そして私の部屋にある新しい水槽に移しました。

かなり動きは鈍いですが、日向ぼっこに最適な高い場所を求めて一歩一歩着実に移動を始めました。

見てください、このお腹。お腹と背中がくっつきそうです。それに首の皮までたるんでしまって、もはや空腹も限界って言った感じ。

すぐに体が温まるように、水槽の上には40Wの蛍光灯を4灯設置。さらに温度が逃げていかないようにガラスのフタまでして水槽内の温度は28℃。真夏に近い様相です。
30分もしないうちに十分体が温まり、水槽内の探検が始まりました。

今までの動きとはまったく別。カナヘビ本来の動きが戻ってきました。

シュルシュル、シュルシュル。

さあ、コオロギたち相手にハンティングの開始です。
と、思ったのですが、目の前で動き回るコオロギたちには目もくれません。

シュルシュル、シュルシュル。

何かを求めて動き回っているのでしょうか。
それとも私が用意した水槽が気に入らないのでしょうか。

その時、一匹のカナヘビが水槽の右隅に置いてある水入れの存在に気が付きました。
「おっ、水を飲むぞ」
シャッターチャンスとばかりにカメラを構える。すると・・・・・

ズボッ!

なんとこのカナヘビ、何のためらいも無く、いきなり水の中に頭を突っ込んでしまいました。

「ゲエェッ!」

ファインダーを通して見た光景が信じられず、すぐにカメラを下ろして、肉眼でその光景を確認します。

するとやはりこのカナヘビは頭を水中にズボッと突っ込みゴクリゴクリと水を飲んでいます。

信じられません、こんな光景初めて見ました。

カナヘビはいつも舌を出して水面をペロペロ舐める様にして水を飲みます。
頭を水中に突っ込んで水を飲むなんて今まで一度もありませんでした。

これじゃあ息も出来なければ、外敵の接近だって見つける事が出来ません。
そんな事など気にしていられない程、のどが渇いていたという事なのでしょうか。

もう一匹カナヘビがやってまいりました。
こちらはちょっと賢いようです。

水中に顔の下半分だけを沈めてワニのようなポーズで水を飲んでいます。これなら舐めるより一気に大量の水が飲めますし、息も出来れば外敵の接近も察知できます。

しかし下半分とはいえ、自ら体を濡らして水を飲むこの光景も、初めて見ました。

ゴクリゴクリ、ゴクリゴクリ。
どれくらい水を飲んでいたでしょう、こんなに長い時間、水に執着する姿を見た事がありません。冬眠中はよっぽどのどが渇くんですね。自然界では夜露や雨水などで冬眠中でも水分補給をしているのかもしれません。

飼育下のカナヘビが冬眠中に死んでしまったという話を良く聞きますが、もしかしたら水不足が原因なのかも。冬眠中でも暖かい日を選び、スポイトなどで口の周りをぬらして水分補給をさせる必要があるのかもしれません。今年の冬は冬眠中でも水を飲むかどうか実験してみたいと思います。


小鳥用の水入れに、コオロギが溺れないよう
木片が浮かべてあります。
水をたらふく飲み終わってもこの通り、水といつまでもじゃれあっていました。

乾いた皮膚を潤しているのでしょうか、それとも冬の間、体に付いた寄生虫を洗い流しているのでしょうか。

私には水の恵みを心から喜んでいるように見えました。

いずれにしても、水中に自ら体を沈めて行水を楽しむ姿なんて初めて見ました。

今までの観察では、30℃を超える真夏の時期でさえ、体が濡れるのを嫌がっているようだっただけに、この行動はあまりにも衝撃的でした。

水をたくさんたくさん飲んで、そして心行くまで水遊びを楽しんだあとは体が冷えてしまったのでしょう、照明に体を向けて日向ぼっこです。

見てくださいこのお腹、あのぺっちゃんこだったお腹が、大量の水でパンパンに膨れ上がっています。よくまあこれだけ大量の水を飲んだもんだ。

濡れた皮膚が乾いて体が温まり、大量に飲んだ水で膨らんだお腹が元に戻るまではハンティングは見られそうにありませんね。

しかし今回は、冬眠中の水の重要性を知る事が出来たのもさる事ながら、カナヘビの水浴びという貴重な行動を観察する事が出来て大満足でした。

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