いつもの様に寝転んでカナヘビを観察していたら、カナヘビにちょっと奇妙な行動が見られた。まるでキツツキの様に流木を突付いている。
「何をしているんだろう?」
今までこんな行動は見られませんでした。食事の後に口に付いた泥などを流木で擦り取る仕草は見られましたが、それとははっきり違う行動です。
スピードが違います。そのスピードは獲物に襲い掛かる時のもの。
「獲物・・・・」
もしかして、流木に付いたダニやトビムシを食べているのか?。
土に混じって混入した小さな生物を食べているのかも。
そう思って、カナヘビが突付いていた流木に目を凝らすと、そこには何か大きな虫が蠢いています。
大きいと言っても、探す対象がダニやトビムシだったので大きく見えただけで、実際には1oも無いような小さな虫です。
「もしかして。こいつは・・・・」
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そう、そうです。
小さな小さなコオロギの赤ちゃんが群れになって潜んでおりました。
小さいけれど立派にコオロギの形をした赤ちゃん。
これだけの数の赤ちゃんが、ここに集まっているという事はかなり前に孵化したんでしょう。
しかし、注意して見ていなかったので全く気が付きませんでした。 |
「小さいなあぁ〜」
あまりの小ささに驚きましたが、よくよく考えると、メスのあの細い産卵管から出てきた卵から孵化した子供がこの大きさだとすると、逆にかなり大きいような気もします。
「他にもいないかな」
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そう思って目を凝らして見ると、あちらこちらに小さなコオロギの赤ちゃんが点在しています。
意識すればいとも簡単に見つけられるのに、意識しないと確実に目に入っていても全く認識できない。
人間の目というのは不思議なもんですね。
見てください、この小ささ。
後の親コオロギが化け物の様に見えます。
あの細い親コオロギの触角ですら、彼らにとっては脅威のようで、ブンブン振り回される触覚に怯えて逃げ惑っております。 |
すり鉢ですりつぶした金魚のエサも赤ちゃんコオロギにしてみれば自分の頭部と同じくらいの大きさの塊になってしまいます。
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更に目を凝らしていると、白く透通ったコオロギを発見。
どうやら孵化したてのコオロギのようです。
なんかとっても弱々しい。
白いうちに地上に出てくるんですね。こんな体じゃ、メスが卵を産んだ地下1pでも、かなりの深さになるでしょうに。 |
こんなコオロギを食べたって腹の足しにもならないのに、カナヘビは夢中になって食べています。
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突っついてはパク、突っついてはパク。
ミルワームや親コオロギにはちょっと飽きてきていた頃なのかもしれません。
新たに現れた今までと違う獲物に夢中のようです。
しかし、すばやい動きであっという間に飲み込んでしまうため、その撮影はかなり難しい。
何度も何度もチャレンジし、なんとか写真に収める事が出来ました。 |
こんなに小さいうちに食べてしまったのでは、一日に100匹でも200匹でも食べる事が出来るので、あっという間に絶滅してしまいそうです。
出来ればもう少し大きくなってから食べて欲しいのですけど・・・・。
そのうち食べ飽きてくれるかな?。
しかし最近コオロギねたばかりで、カナヘビを飼育しているのかコオロギを飼育しているのか分からなくなってきてしまいました(笑)。
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