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夜の帳が降りる頃。活発に動き回っていたカナヘビたちはねぐらへと帰り、代わってコオロギたちがテラリウムの主役に躍り出ます。
今日は、そんな夜の世界を覗いてみましょう。 |
水槽の中には30匹ほどのコオロギが常駐しているはずなんですが、昼間はどこに隠れているのか、ほとんど姿を見せません。とは言うものの、30匹もいれば必ず1匹くらいはノコノコと歩いているやつを見かけます。
カナヘビは大食漢には程遠く、一日に一匹コオロギを食べたらあとはダラダラ寝ているような暮らしぶりですので、昼間コオロギが歩いていてもほとんど気に留める様子もありません。
しかし、いつカナヘビのお腹が減って、襲い掛かってくるか分かりませんので、コオロギにとって昼間出歩く事はかなり危険です。
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にもかかわらず、出歩くのにはそれなりの理由があるようです。
その理由はなんと言っても繁殖のためのパートナー探し。メスを探すために、危険を顧みず鳴き続けるコオロギは悲壮感さえ漂っています。
もう1つ昼間隠れ家から出てくる理由としてケンカがあります。 |
夜はしょっちゅう縄張り争いをしているオスコオロギですが、昼間でもたまにケンカをする事があります。
あんなに臆病で警戒心の強いコオロギですが、ケンカとなると落ち葉をガサガサ鳴らして、ものすごい迫力で取っ組み合いの戦いをします。しかし、あまりにも真剣に戦いすぎるため、周りが見えずあっけなくカナヘビの餌食になってしまう事も。
カナヘビにとってはまさに漁夫の利。
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夜になると、メスたちも物陰から出てきます。
メスを見つけると、オスは鳴きながらどこまでも追いかけて行きます。追いかけて行くというより付いて行くといった方が正しいかな。
メスは産卵がありますのでオスに比べてずっと大食漢です。かなり長い間エサを黙々と食べ続けている事がありますが、その間オスはひたすらメスの後で鳴き続けます。 |
メスは食事が終わると、あちこち散策するのですが、その時もオスは鳴きながらずっと付いていきます。
ただひたすらメスの後を鳴きながら付いて行くオスですが、いまだに交尾見かけたことがありません。安全のために隠れ家で交尾をしていればよいのですが、どんなにオスが努力しても、交尾済みのメスは2度3度と交尾をしないとしたら、ちょっとオスがかわいそうですね。
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日本のコオロギが秋にしか産卵しないのと違い、ヨーロッパイエコオロギは一年中産卵します。その辺がエサとして安く流通している理由のひとつのようです。
ウチの水槽でも夜観察しているとしょっちゅう産卵している姿を見かけます。お尻から長く突き出た産卵管を土の中に突き刺して産卵します。
ミルワームのガラス皿の向こう側に産卵管が見えますでしょうか。 |
水槽の中で孵化したコオロギたちがカナヘビのエサとなってくれれば、少しはエサ代が浮いて助かるのですが、多少不安な面も。
いったいどれくらいのコオロギが孵化するのか。孵化したちびっ子コオロギはガラス面をよじ登らないだろうか。
あたり一面、ちびっ子コオロギだらけになって、それがワサワサとガラス面を上り始めたら・・・・考えただけでも背筋が寒くなります。
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