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2002年11月10日 菌糸ビンの作成
メスを取り出してから2週間たちました。割り出しまであと2週間の予定。
と、なると割り出した後、幼虫を飼育する方法について考えておかなくちゃね。

いろいろ調べてみると、3種類位の方法があるらしい。
「材飼育」「マット飼育」「菌糸ビン飼育」

「材飼育」ってのは産卵木に使った朽ち木をそのまま幼虫のエサにして飼育するらしいんですけど、これだと幼虫の様子がまったく見えなくなちやうからパス。やっぱ毎日様子を見ていたいもんね。

「マット飼育」はオガコに小麦粉なんかを混ぜて発酵させたものを幼虫のエサにして飼育するらしい。市販されているけど、自分で発酵させると添加剤なんかに工夫が出来て面白そう。でも、今はちょっと寒くて発酵が難しいかも。

「菌糸ビン飼育」はオガコにオオヒラタケなどのキノコの菌を植え付け、キノコの菌糸にオガコを分解させてそいつを幼虫に食べさせようってやつ。オガコってのはよっぽど消化しにくいのかね。「大きく育つが費用がかかる」とどこもかしこも書いてありましたが「菌床ブロック」ってやつでまとめ買いして自分でビンに詰めればそれほど割高じゃないみたい。

「マット飼育」か「菌糸ビン飼育」かで迷ったけど、「菌糸ビン飼育」のほうが一般的で参考資料も多く、値段的にもそれほど変わりないのでとりあえず今回は「菌糸ビン飼育」で行く事に決定。

早速、菌床ブロックを購入しようとしたんだけど、いったいどれくらい注文すればいいんだ?。
ビンの容量と数がわかれば計算できるんだけど・・・・。
容量は自分で決めること。数は幼虫の数分だけ。いったい幼虫は何頭?。

う〜〜ん。困ってしまった。幼虫を割り出せば必要なビンの数はわかるんだけど、幼虫にもう1度朽ち木に戻ってもらって菌糸ビンを作成するわけにも行かないし。
かといって、たくさん菌糸ビンを作ったのに幼虫が1頭もいなかったなんて事も十分ありえるし・・・・。

「ここはひとまず、一番ちっちゃいビンでたくさん作っておきましょう」
そうですね、そうすれば1頭も取れなくても無駄が最小限に押さえられますからね。
1頭のメスから20個の卵が生まれたと、かなり多めに仮定して60頭分の菌糸ビンを作る事にしました。60本作って置けば確実に足りなくなることは無いでしょう。

名付けて「ちっちゃいビンをたくさん作るぞ作戦」

さて、じゃあビンはどうする?。って、今から考えてたんじゃ遅いよね。実はこの「ちっちゃいビンをたくさん作るぞ作戦」はオオクワガタ達が交尾に勤しんでいた頃から水面下で密かに進行していました。

私の親戚には幸運にも3人の赤ちゃんが。この赤ちゃんたちが食べる離乳食が150ccほどのちっちゃいビンに入っているんです。離乳食は毎日の様に食べる。すると、ちっちゃいビンがザックザク!。なんて運がいいんだろう。

次は菌床ブロックの購入です。これは以前からインターネットで調べて決めていました。決め手はなんと言っても値段でしょう。
「月夜野きのこ園」さんの「Basic Kunugi block」。
3500ccで500円。多分これより安いところは無いんじゃないかな。

で、これでどれくらい取れるかというと・・・・?。
「月夜野きのこ園」さんの詰め方の説明によると容量の半分の重量・・・すなわち150ccなら75グラムの菌床が必要らしい。

このブロックの重さを量ったら大体2400グラムでした。150ccのビンに詰めかえると32本分。2ブロック購入です。
袋から取り出して、まずは周りについている白い部分を取るそうです。

う〜ん、長いパン切りナイフみたいのを用意しておけば良かった。もう臨戦体制の戦闘服(ジャージ姿とも言う)だし、着替えて買いに行くのはめんどくさい。かといってふだん使っているナイフを使用するのもね・・・・。

仕方ないので工場に行って薄い鉄板をを持ってきました。もちろん先端はグラインダーで研いでしっかり歯をつけて。
すりこ木を使ってつぶすらしいんですけど、全然うまくつぶれない。細かい塊を丹念につぶしていくのも飽きてきて、最後にはとうとう手でウニュウニュ。

ひんやりとして気持ちい。子供の頃に戻った気分(笑)。

なんかちょっと甘い香りが漂っています。
あとはこれを詰めるだけ。
ビンのフタには酸素を取り入れる為の穴をあけなくちゃね。

とは言ってもこのフタ、スチール製で板厚が0.2ミリくらいしかないからドリルで穴をあけると裏側がバリだらけできたなくなっちゃう。趣味でやっていることだから、美しくないとね!。

と言うわけで金型作っちゃいました(本職)。まさにアホですね(笑)。
金型で穴をあければスパッとこのとおり。キューピーちゃんマークをきれいに抜くことが出来ました。とりあえずプロですからね(笑)。

ついでにフィルターをフタと同じ大きさに切る金型も作って用意万端です。
今回は「月夜野きのこ園」さんからビール酵母なるものも購入いたしました。良く分からないけど幼虫の栄養になるらしい。

菌床を70グラム。ビール酵母を7グラム・・・・って計ろうと思ったけどはかりが無い。台所に針の付いたはかりがあるけどそれじゃ7グラムなんて細かい量が計れないよ。

「買いに行くか?」
そう思ったときふと気がついた。会社にはかりがある。0.001グラムの精度でン十万円する精密機器だから本当はこんな使いかたしたらまずいんだろうけど、今回だけ!。

次回はきちんとデジタルのキッチンスケール買って来ます。
菌床の重さを計って、ビール酵母の重さを計ってよく混ぜ合わせてっと。

容器は小さいので道具を使わなくても指でぎゅっと押すように詰めれば計算通り詰めることが出来ました。

しかし、60本もあると重さを計るだけでもかなりの時間がかかってしまいました。指も痛くなるし・・・・。これも幼虫の為、頑張らなくちゃね。
ビール酵母の配合割合を3%、5%、10%と変えてみたので分からなくならないようにフィルタにメモしておきました。

幼虫のデータはシール式のラベルを買ってきてビンに直接貼ったほうがいいのかな?。フタに貼った方がいいのかな?。

ラベルが取れなくなったとき水に浸して取ることを考えるとビンに直接貼ったほうがよさそう。フタを水に浸しておくとさびちゃうかもしれないもんね。
と、言うわけで完成です。

あとは洋服ダンスを改造して作った温室でじっくり寝かせるだけ。幼虫を割り出す準備は整いました。幼虫はいったい何頭割り出せるのでしょうか?。

「1頭も取り出せないかも」
なんて最近不安になるんですよね。ホームページで公開している事がプレッシャーになっているのかも(笑)。
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