ミナミヌマエビが我が家にやって来てから1ヶ月。普通の熱帯魚なら毎日観察していれば、そろそろ1匹ずつの特徴が分かって、個体域別が出来ている頃です。
しかしミナミヌマエビは流木や水草の陰に隠れている事が多いばかりか、体の色がコロコロと変わるので、個体識別が全然出来ていません。
ですので、はっきりした事は分かりませんが、どうもここ数日、抱卵しているミナミヌマエビが少なくなって来ているような気がします。
「こいつは確か抱卵していたような気がするんだけど・・・・」
昨日まで抱卵していたはずの、ひときわ体の大きなミナミヌマエビのお腹に卵がなくなっている所を見ると、やはり抱卵の時期は過ぎたようです。抱卵の時期が過ぎたという事は、孵化したか、もしくは上手く孵化できずに脱卵してしまったかのどちらか。
「この水槽のどこかにいるはずなんだけどなぁ」
無事孵化できていれば、稚エビがどこかにいそうなもんですが、なかなか発見できません。
「水が合わずに孵化できなかったのかも」とちょっと不安な気持ちにもなりますが、水草のジャングルや流木の迷宮など、稚エビの隠れる場所はいくらでもありますので、あきらめるのはまだ早すぎます。
稚エビが隠れるとしたら、やはり流木の迷宮。流木には稚エビのエサになるコケが生えていますし、凹凸や穴など複雑な地形が稚エビの絶好の隠れ家になるはずです。そう思い、毎日毎日、水槽に顔をくっつけるようにして流木の表面を観察していると、しばらくして流木に植えつけたアヌビアス・ナナの上でかすかに動く透明な物体を発見。
「もしかして、あれが・・・・・・」
(下の写真のどこかに稚エビが潜んでいます)
画像にポインタを合わせてみよう。クリックしちゃダメだよ |
水槽に顔を近付け、目を凝らしてみると、それは間違いなくエビの形をしています。
「おお〜、稚エビだ、孵化していたんだ!」
うれしいのもさる事ながら、その小ささにビックリ。あの卵から孵化するんだから、それなりに小さいだろうと予想しておりましたが、体が透明である事も手伝って、予想よりふた周りほど小さなサイズ。 |
それでも小さな手をひっきりなしに動かして、アヌビアス・ナナに付いたコケの新芽を食べているようです。
「すごいもんだなぁ」
こんな小さな体なのに、親と変わらぬ生体機能がしっかり備わっている事のに自然の神秘を感じざるを得ません。
さっそく写真を撮ろうと思ったのですが、こんなに小さい上に透明な体をしていたのでは、写真を撮ろうにもピントなんて合うわけありませんよね。
それに運良くピントが合ったとしても、撮れた写真は親と同じ形。
親の写真を撮って「稚エビです」って今流行の「偽装」をしても誰も気づきませんもんね(笑)。
とは言うもの、水槽内の撮影に並々ならぬ情熱を傾けて来た私にとって、この被写体はチャレンジのし甲斐がある難しい被写体。メラメラと闘志が燃え上がります。
被写体から15cm程度の距離の接写撮影。そこから倍率を10倍近くまで上げた望遠撮影。
「FZ50+クローズアップレンズ」だからこそ出来るアホみたいな撮影方法。
手ブレ補正は付いていますけど、ここまで倍率を上げるとモニターに写った被写体がグラングランゆれます。まるで船酔いみたい(^_^;)
手ブレしないように感度をISO1600まで上げてマニュアルのピント合わせで撮影開始です。
「カシャ、カシャ、カシャ」
数打ちゃ当たるとばかりに連写しますが、エビも動いておりますので、なかなか良い写真が撮れません。
「お願いじっとしていて」
「うわ、力んでブレた」
「これじゃ、大人のエビと変わらないよ」
失敗に次ぐ失敗。しかし、粘りに粘ってとうとう納得のいく写真が撮れました。
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こんな感じですが、どうでしょう。
稚エビが乗っかっているのはアヌビアス・ナナの葉の上です。まるでビニールのようにツルツルに見えるアヌビアス・ナナの葉ですが、実際は細かい産毛のようなものがたくさん生えていたんですね、知りませんでした。
そして、エビの右側にある丸太のようなものは、実はミナミヌマエビの糞。 |
アヌビアス・ナナの葉の上にちょこんと乗っかっているように見えたミナミヌマエビの糞は、
実際にはアヌビアス・ナナの葉に生えた産毛に引っかかっていました。
高倍率だからこそ見えてくる世界。
被写界深度があまりにも狭くて稚エビの尾がぼけてしまいましたけど、我ながらスケール感が良く出た写真だと思います(^^ゞ
不思議なもんで、1匹見付かって目が慣れると、次々に稚エビが見付かります。
「ここにもいた、あっ、こっちにも」
今まで見付からなかったのがウソのよう。2匹3匹と稚エビが見付かります。そして水槽を覗いた時に見つける事が出来る稚エビの数は、日増しにどんどん増えていきす。
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なにより驚いたは稚エビの成長スピード。
ちょっと目を離してしまうと、どこにいってしまったか分からなくなってしまうほど小さかったのに、あっという間に2mm、3mmと成長し、水槽内でもかなり目立つ存在になりました。
大人のミナミヌマエビと比べると、まだまだとても小さな存在ですが、今ではそれ程難しい技術を必要としなくても撮影できる大きさになりました。 |
エサは「コリドラスのエサ」を与えていますが、稚エビは大人のミナミヌマエビのようにエサに群がってくる事はまったくありませんので、流木に付いたコケだけを食べて生活しているようです。もう少し大きくなって機動力が付いてきたらエサの臭いに誘われて、大人のミナミヌマエビと一緒にエサに群がる様子が観察できるかも。
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体長3mm程度の小さな小さな稚エビ。
生まれたばかりの稚エビに比べれば、それ程難しい撮影ではありませんでしたが、それでも結構苦労したんですよ。
でも比較対象がないと、出来上がった写真は何の変哲もないミナミヌマエビの写真。
かといって、比較用のタバコを稚エビの脇に置くわけにも行かず・・・・。
苦労のし甲斐がありません(^_^;) |
♪でもそんなの関係ねぇ、そんなの関係ねぇ。♪
趣味なんて所詮、自己満足の世界ですもんね。オッパッピー♪(笑)。
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