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2007年5月20日 外部フィルタ 比較
いや〜、別に新しい水槽を立ち上げるつもりなんて全然無かったんですよ。
秋ぐらいに1つ水槽の立ち上げを予定していたのですが、考えていた水槽は夏の高温に耐えられるようなものではなく、それを前倒しにしたわけでも無いんです。
何の構想も無く、ただ水槽の立ち上げだけが進んでしまいました、変な話ですね(^_^;)

理由はこう。

いつもクワガタの飼育などでお世話になっている方が、ひょんな事からアクアリウムを始める事になったんです。私もアクアリストの端くれですので「外部フィルタはどんなのが良いですか?」なんて質問されちゃったりして、「EHEIM(エーハイム)のクラシックフィルタ2213 が良いですよ」て気軽にお答えしちゃいました。

そりゃそうですよね、明石といえばタコ、水戸といえば納豆、外部フィルタといえばエーハイムと昔から決まっていましたから。しかし返って来たお返事は「テトラのパワーフィルタはどうなんでしょう」という質問でした。

「テトラのパワーフィルター?」

テトラ(Tetra)社といえばエーハイム社製の外部フィルターを販売している会社。
「エーハイムから新製品が出たのかな?」
しかし、アクアショップに行くたびに、エーハイムから新製品の外部フィルタが出ているかどうか確認していましたので、そんな事は無いはず。

とりあえず、ネットで調べてみると、ありました。「テトラ EX パワーフィルター」
緑が基調のエーハイムとはまったく違う銀色のボディー。
見るからにエーハイム・シリーズではない事が分かります。

ネットでさらに調べていくと、今までエーハイム社製の外部フィルタを販売していたテトラ社が、とうとう自社製の外部フィルターの販売を始めたみたい。エーハイムとケンカしたのか、金銭面の折り合いが付かなかったのか、はたまた契約期間が切れたのか、詳しい事情は分かりませんが、外部フィルターの製作と販売で協力し合ってきた2社が、独自の道を歩み始めたのは確かなようです。

ペットショップに行っても新製品の外部フィルタをチェックするのはエーハイム社製だけでしたので、テトラ社の新製品「EX パワーフィルタ」を、エーハイムの横に積まれたニッソー「プライムパワー」やコトブキ「パワーボックス」あたりと思い込んで、見逃してしまっていたようです。

「こんな新製品があったとは・・・・不覚」

新し物好きの私ですので、さっそく新製品の外部フィルターの比較調査開始です。
私は60cm水槽がメインですので、エーハイムの中からコスト的にもスペック的にも60cm水槽用として一押しの「エーハイム クラシックフィルター 2213」を外部フィルタ比較用にエントリー。

そして比較対象は同じクラスであるテトラ EX パワーフィルター 60 と思ったのですが、ちょっとお金を足すだけで、ろ材容量が1.5倍になる「テトラ EX パワーフィルター 75」という機種がある事に気が付き、比較対象は「EX75」にする事にしました。

エーハイム クラシックフィルター 2213
テトラ EX パワーフィルター 75
ろ材容量
3リットル
3リットル
流量
440リットル/時
580リットル/時
最大揚程
1.1メートル
1.5メートル

「う〜ん」

実勢価格は「EX75」の方が安いにもかかわらず、モーターのスペックも「EX75」の方が上。
しかも付属のろ材は「EX75」の方が充実している。さらに「クラシック」として発売後、まったくモデルチェンジをしていない「2213」に比べると「EX75」は外見の美しさだけでなく、使い勝手についてもかなり先進的な構造になっていました。

「EX75」唯一の欠点といえば、排水も吸水も上から行うという事だけ。
「2213」は下から吸水、上から排水という構造になっているため、水の流れに無理が無くとてもスムーズな循環が期待できます。しかし「EX75」は上から吸水した水を一度底まで誘導し、そこで水をUターンさせてから濾過槽を通し、上から排水する構造になっているため水の流れに無理が生じます。

セッティングやメンテナンスを考えると「EX75」の方式のほうが優れていますので、「欠点」ではなくどちらをより重視するかという消費者の2択になるのかな。
私の場合、多少流れに無理が生じても吸排水を共に上から行う「EX75」の方が好き。
セッティングやメンテナンスが簡単ですし、ホースが1ヶ所にまとまっていた方が、配管処理がすっきりして、見た目が美しいですから。趣味なんですから、こういった所に少なからず機能美を求めてしまうのもしょうがないですよね。

途中、話が長くなりましたが、先ほどの質問に「2213をお勧めしましたが、EX75も良さそうです」とお答えしました。

そこまでは良かったのですが・・・・・

スペックを比較したり、使い勝手を調べたりしているうちに、だんだん「EX75」が欲しくなってきちゃいました(^_^;)
別段、今、必要と言う訳でも無いのですが、そろそろ寿命の外部フィルタが1つあったので、
それを買い換えるか、それとも部品を交換して延命させるか迷っていた事もありまして・・・・

で、買っちゃいました(^_^;)

EX(エックス) パワーフィルター 75

買っちゃった、というより気が付いたら部屋にあったって感じ。
ネットでワンクリックすれば簡単に買えちゃうというのは、
ホントに恐ろしい事ですね(笑)。

土曜日の午後に注文したら、日曜日の午前中には私の部屋にありました(^_^;)

緑色でヒョロっとした感じの「エーハイム2213」に比べると、「テトラ EX75」はメカニカルな感じでカッコイイです(笑)。「ボディーは半透明のほうがろ材が見えていいよ」という方もいらっしゃると思いますが、慣れてしまうとろ材を見る機会などほとんどなくなってしまいますので、デザインを優先させても特に問題ないでしょう。

エーハイムの外部フィルターを掃除する時、パワーヘッド(モーターが入った上部のフタの部分、テトラ製品はモータヘッドと言います)がなかなか外れなくて、不便を感じた事がありませんか?。

そんな細かい所まで「テトラ EX パワーフィルター」は、しっかり改善されていました。

フタを固定しているバックル(留め金)をはずすとモーターヘッドが取り外せるようになるのですが、水漏れ防止用のOリング(ゴムパッキン)がしっかり利いていて、モーターヘッドをはずすのにかなり力が要ります。

しかし、バックルをさらに持ち上げてると・・・
(画像にポインタを合わせてみよう。クリックしちゃダメだよ)
ポンとモーターヘッドが浮き上がります。

テコの原理を利用しているため、力を入れる必要も、ボディーを押さえておく必要もありません。ただバックルを軽く上に引き上げるだけ。

「へ〜、よく考えられているなぁ〜」

そりゃそうですよね、長年実績のあるエーハイムに対抗するための新製品なんですから、
「エーハイム クラシック」の欠点を突くような、改良は当然といえば当然の戦略です。

「エーハイム クラシックフィルター 2213」で、もう1つ気になるのがパワーヘッドを固定している金具。幅1cm、厚さ0.5mmくらいのステンレス製の留め金で、小さいし薄いしで、なんとも頼りない。水漏れ事故などが起こったわけでもないし、別段力がかかる場所でもないので
あれくらいの留め金でも十分なんでしょうけど、もっと、固定した時の「カチッ」とした感じが欲しかった。

「テトラ EX パワーフィルタ」は、抜け目無く、
その点を改良しています。

「エーハイム 2213」の留め金とは比べ物にならないくらい巨大なバックルが4つ。

しかも、全てが「カチッ、カチッ」、というよりは「バチン、バチン」といった感じでしっかり固定してくれます。

本体とモーターヘッドが間違いなく固定されていることが分かり、とても安心感があります。

そして「エーハイム クラシック」シリーズの最大の弱点とも言えるのが自動呼び水式の欠如。
もちろん、「テトラ EX パワーフィルター」は標準装備。
モーターヘッドに付いているスタートボタンを押すだけで、フィルター内が水で満たされます。

お世辞にも綺麗とはいえないホースを勇気を出してくわえ、澄んでいるとはとても言い難い外部フィルター内の空気を、まるで思い切り深呼吸するかの如く、力強く目いっぱい吸い込むあの忌まわしき作業から開放されます。

で、「エーハイム クラシックフィルター 2213」と「テトラ エックスパワーフィルター 75」を実際に比較してみると・・・・。

こんな感じ。

「エーハイム 2213」のほうが、かなりスリムになっています。「テトラ EX75」のほうは、パワーヘッドから取っ手が出ていますが、押すと中に引っ込む気の利いた構造になっているため、本体の高さは「エーハイム 2213」のほうが高いです。

しかし、「テトラ EX75」のホースジョイント部は、180度回転するものの、形状は写真のままですので、結局、高さも「エーハイム 2213」に軍配が上がります。

しかし、なんでこんなに大きさが違うんでしょうね。

外見から判断すると、どう考えたって「テトラ エックスパワーフィルター 75」のほうが、ろ材容量は格段に上のような気がします。

実際にろ材バスケットを比べてみてもこんな感じ。

左が「エーハイム 2213」。
右が「テトラ EX75」。

「2213」のほうがかなり高く感じますが、「2213」の上部3cmは、ろ材が入らない構造になっているため、見た目でも「EX75」のほうが、容量が多いように見えます。

となれば、実際に容量を比べてみましょう。
「2213」に入っているろ材を、「EX75」に移してみると・・・・

「なんでぇ〜」

カタログに載っている「ろ材コンテナ容量」は共に3リットルで同じなのに・・・・。

一番左のろ材コンテナはいっぱいになったものの、他の2つのコンテナは半分しか入りませんでした。

つまり、容量は2/3しかないって事。
「どうしてぇ〜」

「エーハイム 2213」は「3リットルろ材コンテナ付」。
「テトラ EX75」は「1L×3コンテナ」。

公式ホームページに行って、スペックをそのままコピペしてみましたが、間違いは無いようです。確かにろ材コンテナ容量は同じになっています。
なのに「エーハイム 2213」の容量は「テトラ EX75」の2/3しかないとは・・・・・。

「う〜ん」

ろ材容量はとても重要なファクターですから、カタログの製品仕様書に載っている数値を信じて、ろ材容量が同じならと「エーハイム 2213」を買ってしまった人もいるかもしれません。
なにがどうなってこんな違いが出てくるのか、しっかりとした説明を期待したいです。

フィルター内はコンテナバスケットを3つ重ねて入れる構造になっています。1つ1つのコンテナには、押し込み式の取っ手まで付いていて、至りに付くせり。

「エーハイム 2213」のすぐにでも折れちゃいそうな細い取っ手とは違い、かなり頑丈に出来ています。

しかし、吸水した水を外部フィルターの底まで誘導するパイプが何とも貧弱。各バスケットに煙突のような物が付いていて、その「煙突」を重ねて1本のパイプを形成する仕組みになっているのですが、重ね合わせの部分には微妙な隙間が。

フィルタの目詰まりがひどくなると、重ねた煙突の隙間からドンドン水が漏れ出しそうです。この構造だと、下から吸水、上から排水の「エーハイム 2213」のほうが構造的にかなり優位になってしまいます。

穴に添って1本のパイプを通すような、隙間の無い構造にすればよさそうなものですが、そうするとモーターヘッド(フタの部分)を開けた時に長いパイプが邪魔になってメンテナンス性能が落ちてしまうかな。モーターヘッドを斜めに引き抜くとパイプが折れてしまうなど、破損事故も起きそうだし、これはこれでいいのかな。

さて、次は「EX75」に付属されているろ材類を紹介いたしましょう。

まず一段目。一番下のコンテナですね。ここには水の流れに多様性を持たせるためにパイプ型をしたセラミックろ材「EXパイプ」が入っていますが、「EXパイプ」はちょっと少なすぎ。

底に1段で並んでしまうくらいの量しか無いので、ほとんどが立っているものと、横になっているものの、2通りになってしまいます。

せめて2段に重なって斜めを向く物が現れないと、水の流れに多様性を持たせる機能を十分発揮できません。お金に余裕があるのなら、「EXパイプ」の上に設置する「EXブラックスポンジ」をはずしてテトラ EXリング を買い足したほうがよさそうです。


2段目は「EXバイオボール」。
このボールとても面白い構造をしています(下の写真)

球形をしたプラスチックに、縦穴を平行にドンドン削って行ったような形。球形でありながら、内部の水は一方向にしか流れない仕組みになっているため「EXパイプ」同様、水の流れに多様性を持たせる機能を持っています。

さらに、中心と外側ではトンネルの長さが違うため、内部を流れる水の速度に変化が出ます。この辺もバクテリアが住む環境に多様性を持たせるために、よく考えられた構造といえます。

思いのほか表面積も広く、セラミックのようなクズも出ず、半永久的に使えるので、かなりお勧めです。

そして、3段目。最後のろ材バスケット。

「EXブラックスポンジ」と「EXウールマット」そして「EX活性炭」。

最近、フィルタには活性炭が付き物と言った感じになって来てしまいましたね。

飴玉には「レモン○個分のビタミン」が入っていないとダメなように、美容食品にはコラーゲンが入っていないとダメなように、フィルターには活性炭が入っていないとダメになってしまいました。

活性炭は寿命が短く、買い換え需要が見込めるため、メーカーにとっては美味しい商品として
どうしてもはずせない存在になってしまったのでしょう。活性炭と言うと、効果が高いと言う良いイメージが先行し、消費者へのアピールが強く、付加価値が高いのも付属ろ材になっている原因のひとつかもしれません。そして、そんな活性炭を一生懸命買い換えてくれるような人が、アクアリウム業界を下支えしているのでしょう。

「EXウールマット」は細かいゴミを濾し取るための、いわば物理ろ過用のマット。
活性炭同様、他のろ材に比べると極端に寿命が短く、生物ろ過を主体とした外部フィルターにはちょっと場違いです。

「EXブラックスポンジ」は上部フィルターや底面フィルターなど、他メーカーの様々なフィルターでも標準装備されている硬くて粗目のマット。まあ、言う所の「初期付属マット」です。

掃除が面倒くさい外部フィルターは、なるべくメンテナンスフリーの生物濾過主体で行きたいので、活性炭もウールマットも使用しない事にしました。

変わりにテトラ EXバイオボール を追加で購入。
付属と併せて「EXバイオボール」2段構成です。

本当は、3段目は「バイオボール」と「EXブラックスポンジ」の併用にするつもりだったんです。

バイオボール1箱といっても、どうせバスケットは一杯にならず多少隙間が出来るだろうから、2段目の「バイオボール」をギュウギュウ詰めにすれば3段目の「バイオボール」はスカスカになって「ブラックスポンジ」を入れる隙間ぐらい出来るだろうって考えてしました。

しかし、実際に詰めてみると、2段ともギュウギュウ。

「バイオボール」を1つ1つ丁寧に並べても「ブラックスポンジ」を入れる隙間など、とても出来ませんでした。ろ材なんて多少隙間が出来て当たり前の世界でしたので、これはかなりうれしい誤算です。テトラさんもなかなかどうして良心的なようです。

本体の紹介が終わりましたので、今度は付属品。

本体と水槽をつなぐホースは透明です。
「エーハイム」の場合、水草でカモフラージュできるように半透明の緑色をしています。

熱帯魚主体の水槽では、透明のほうが目立たない気もしますが、ホース内部が汚れて黒くなってくると、かなり目立つような気もします。

パイプ類はエルボーや排水シャワー、ストレーナーなど一通り標準装備。プラスチックに厚みがあり、作りもしっかりしていますし、角度調整や長さ調整をする必要がある可動部にはOリングが付いているなど、エーハイムよりかなり上質な感じです。

パイプを固定する吸盤も、支柱が長いものと短いもの、どちらでも使えるように、数にかなり余裕を持たせてあるようです。さらに、消耗品であるOリングの予備が入っているのは好感が持てます。Oリングなんて原価は1円もしないのに、お店で買うと結構高い。
近所にアクアショップが無く通販で取り寄せて送料を取られたら目も当てられませんもんね。

上の写真の上部中央にあるのがホース・アダプタ・ユニットです。
こいつを本体につければ、あとはホース類の配管のみ。

ホースアダプタユニットをモータヘッドの窪みにギュッと押し込んで、あとはパチンとレバーを倒すだけ。
本体にしっかり固定されます。
(画像にポインタを合わせてみよう。クリックしちゃダメだよ)

こちらもしっかりとした装着感があって安心できます。

「EX75」は午前中に届いたのですが、あちこち分解して内部構造を調べたり、「エーハイム2213」と比較しているうちに、あっという間に寝る時間になってしまいました。
水槽に外部フィルターをセットして、底床を敷くくらいまでは行くつもりでいたのですが(^_^;)
まあ、外部フィルタを水槽にセットするとなると、パイプなど自作の部分が多くなるので、半日では出来そうもありません。この辺が一番キリが良かったのかな。

モーターの仕様や、ろ材容量、使い勝手、金額などなど。
どれをとっても「テトラ EX パワーフィルター 75」のほうが勝っているようです。
作っているメーカーがあのテトラですので、交換部品の入手もそれ程難しい事にはならないでしょう。

あとは実際に使ってみて、一番重要なろ過能力と耐久力を試すだけ。
そのためには、水槽をひとつ立ち上げなくてはなりませんね。

外部フィルターのために水槽を立ち上げるなんて、まさに本末転倒。
とはいうものの、とりあえず1週間、どんな水槽を立ち上げるかじっくり考えたいと思います。

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