つくばエクスプレス

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２００５年８月２４日　つくばエクスプレス

インターネットで問い合わせのあった商談がとんとん拍子で進み、細部を詰めるためにお客さんの会社を訪問する事に。
お客さんの会社がある場所は筑波。私は筑波に行くのは初めて。
しかもお客さんが指定した日が、幸か不幸か「つくばエクスプレス」の開通日でした。

開通日ですので多少の混乱も考慮に入れて３０分ほど余裕を持って出かけました。
秋葉原の駅を出て、地下にある「つくばエクスプレス」のホームに続く階段へと向かうと、なんとそこにはたくさんの人だかり。

「記念イベントでもやっているのかな？」
多少気にはなりましたが、物見遊山で来ているわけではないので、人ごみを掻き分け階段に差し掛かると、なんとそこには通路を遮断するようにロープが張ってあるではありませんか。

そして、そのロープの内側に立っている人が高々とプラカードを掲げている。
そのプラカードにはでっかい文字で「入場規制中」の文字が！。

「はぁ？」

どういう意味だ？
こっちはイベント会場に来た訳ではない、電車に乗りに来たんだ。しかも仕事で。

腕章を付けた係員に話しかける。
「つくばエクスプレスに乗りたいんですけど・・・」
「すみません、駅が人であふれてしまいまして」
「４５分の電車に乗らないと仕事に間に合わないんです」
「申し訳ありません、もうしばらくお待ちください」
ラチがあかん。

電車に乗れないのに周りの人はそれほど殺気立っていない。
よくよく考えれば、あとから来た私が軽く人を掻き分けただけで先頭に出られるのもおかしい。
あせるべき状況下で妙にさめている変な空気を感じ、周りの人をよくよく観察してみると、首からでっかいカメラをぶら下げた人、子供の手を引いた人、友達と談笑する人。
中には入場規制のプラカードを写メで撮る人までいる。
学生服姿もいなければ、ネクタイ姿も見られない。

「こいつらみんな物見遊山だ」
見物に来たんだから多少待たされても仕方がないといった心境だったのね。
と言うより、この入場規制すら思わぬハプニングとして思い出にしようとしてないか？(^_^;)

しばらく待たされてやっと通路を遮断していたロープが撤去されました。
「あと２分ある」
下りのエスカレーターを猛ダッシュで駆け下りる。
券売機さえすいていれば何とか間に合うはず。
エスカレーターを乗り継いで改札口に駆け込んだ時すべての望みが断ち切れた。

券売機の前はものすごい人だかり。

通路は幅４メートルほど。
自動改札口の前を横切って券売機の前に行き、そこで切符を買って改札口に戻ってくる構造になっている。誰が考えたか知らないけど、人の流れをまったく考えていない最悪の構造だ。

６台程度しかない券売機に人が殺到し順番待ちの列が出来る。

順番待ちの人が多くなれば、自然と通路をふさぎ、切符を買った人が改札口に戻ってこられなくなってしまう。

切符を買った人がハケないと、列はさらに伸びて改札口までふさいでしまう。

そして電車が到着し、降りてきた乗客が改札口になだれ込むと、そこはもう修羅場。

かくして「入場制限」となったわけだ。

切符を買って駅構内に入ると、そこはたくさんの人でにぎわっていました。
電車好きの少年に手を引かれているお父さんもいれば、ごついカメラを持った初老の男性もいる。もちろん鉄道マニアの青年もいるし、「報道」の腕章をつけた人もいる。
電車が入線してくるとフラッシュの嵐。あれじゃあ運転手さんもたまったもんじゃない。

駅にはたくさんの人がいたので「気合を入れないと座席が確保できないぞ」なんて、気張っていたけど、実際に乗り込んでみたらこの通り。
拍子抜けしてしまいました。

入場規制、券売機の長蛇の列、にぎわう駅、そしてがら空きの電車。

２００メートルというロングレールを使い振動が少なくなった静かで快適な車内では、あの騒ぎはまるで夢幻のように思えました。

余裕を持って家を出たので、５分程度の遅刻で済んだのが不幸中の幸い。

仕事を済ませ「つくばエクスプレス」で秋葉原に帰ってくると、券売機の前は相変わらずの行列。しかし、そこには人の流れを分けるための一本のロープが張ってありました。

縦に張られた一本のロープのおかげで左側通行が確立され、人の流れがスムーズになって午前中のような混乱は見られませんでした。

「あのロープは入場制限の時に使っていたロープだな」

通路に対して横に張って入場規制していたロープを、縦に張って片側通行にする。横を縦にするという単純な発想の転換。それだけであの混乱が収まるんですからもっと早く気づくべきでしたね。

もう少し言えば、マニアのために記念切符を発売するブースを設けたら良かったのにね。
入場券もあわせて販売すれば券売機の混乱は避けられたでしょう。
価値を求めるマニアはワクワクしながらブースに並び、時間を求める一般客はさっさと券売機で購入。そして、鉄道会社は記念切符でボロ儲け。みんなま～るく収まったのにね。