<シャロースプール PEライン 編>
ちょっと肌寒い感じだったけど、食事の後の腹ごなしに行ってきました。
場所は南東京の埋立地。
風はほとんどなく、潮はとろとろ流れている感じ。
海面はとっても穏やかで絶好の引き波日より^^
ここは湾から運河に流れ込む流れの流心が岸から30メートルくらいのところにある。
なのに、岸際から10メートルくらいのとこまではまったく潮が流れないし、
大潮など流心の流れが速くなると逆方向にとろとろと流れ出す変なとこ。
足元の潮が流れないから「魚は足元にいる」というセオリーがまったく通用しない。
攻略法としては沖に向かってフルキャスト。あとは流心の流れと、手前側の流れのない場所の境目で食わすのが一番釣果が上がるみたい。
Hungryをセット。
沖の流心めがけてフルキャスト。デッドスローでリトリーブ。
ルアーは流されながらもリトリーブによって少しずつ回頭する。
流れの速さを計算し、流れの境でドリフトの立ち上がりを演出するべくリトリーブの速度を調整する。
ルアーは思ったとおりの立ち上がりを演出してくれた。
Hangry独特の跳ね上がったテールでの控えめな引き波も好アピール。
今にも食ってきそうで胸が高鳴った・・・・が、やっぱそう簡単には食ってこない(笑)。
しかし、あきらめずに流れの境に正確にルアーを通すこと4、5回、ルアーが不意に吸い込まれグンというあたり。
ディップ立てるような感じで軽くあわせを入れる。ガツッとカウンター気味に確実にフッキング。
魚はバシャバシャバシャと海面を割って暴れ出す。
距離にして5メートル。風も波もない好条件。フッキングした瞬間から魚種が特定できた。
「こいつはマルタ!」
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う〜ん、どうしてこうもマルタがばかり掛かるんでしょうね、私のリズムがマルタにぴったりあってるのかな〜。
45cmといつものマルタより一回り小さ目のサイズ。
釣れないよりはましですから、贅沢は言っちゃいけませんね。 |
リリース終了。気を取り直してキャストしようと左右を確認すると遠くから懐中電灯の灯かり。
動きから判断して自転車みたい。安全性にはまったく問題ないのでそのままキャスト。
リトリーブしているとその自転車が私の後ろで止まる音。
「見学かな?」
岸際は2メートルもない遊歩道。真後ろにたたれるとキャストどころかファイトにさえ支障が出るから、出来ればもう少し離れていてもらいたいんだけど^^;
「釣りですか?」と、自転車の人。
「釣れますか?」ならわかる。聞いてみなけりゃ釣れるかどうかなんてわからない。
でも「釣りですか?」ってどういう意味?。そんなの見りゃわかるでしょ。これが羽田空港に向かって迫撃砲打ってる様に見える?。
はっと思って振り返ると「学生さん?」と追加の質問がやってきた。
そこに立っていたのは紛れもなくおまわりさん。
「なんだぁ〜、東京サミットでも開かれていたか?」
要人が来日すると一時的に警備が厳しくなることがある。
東京でサミットが開かれたときなんか全国から警官が集められて、それぞれお国の言葉で職務質問されるから、一晩で10回職務質問されても新鮮で結構楽しめるんだよね(笑)。
でも、そんな情報はなし。
「道が狭いから後ろの木に引っかからない?」とか「人が通ると投げられないね」とか変な質問を繰り返す。
「もしかして、工作員だと思ってんのか?」
シャロースプールにPEライン、太目のリーダーにダイコーのロッド。
ルアーだってこだわりのルアーだらけだぞ!。しかも全部バーブレスだ!。
これがただの変装に見えるか?。
アメリカのCIAだってここまで東京湾に特化した通好みのタックルを用意せんぞ!(笑)。
「もしかしてここで釣りをしないでくれって言っているのかもしれない」
的を得ない質問に嫌気がさして、無視してキャストしたろーかと思ったときなんとなくそう感じた。
そう考えると、今までの的を得ない質問が私を追い出すための作戦に思えてくる。
ただ、ここは釣り禁止と明記されているわけでもなく、休日になればハゼ釣りの人で20メートル間隔で竿が並ぶ場所だ。遠まわしにも「釣りをするな」とはいえない。
だから、遠まわしの遠まわしで私を追い出そうとしていたのかも。
そんな遠まわしじゃ伝わらないよ。
埋立地で人は住んでいないから住民の苦情って訳ではなさそう。
工場に勤めている人が、帰り道が危険だからやめさせてって通報したのか?。
それとも事故でも起こったのか?。
趣味の時間を邪魔されて、理由を聞く気にもなれず憮然とその場を離れた。
「場所を移動しようか」
そんな思いも頭をよぎったけどやめた。
「今日はもう帰ろう」そんな気分。10キャストもせずに納竿。
最近、釣り人のマナーの悪さがクローズアップされてる。
あまりのマナーの悪さに釣り人を締め出そうとする動きが活発になってきているのも確かだ。
先日見たテレビの話。
漁師さんが網を張った場所でバスボートの上からルアーをキャストしている人がいた。
もちろん釣り禁止の場所だ。
漁師のおじいさんが岸から立ち退きを求めて叫んでもまったく無視。
聞こえているのに聞こえていない振りをして、無表情でキャストを繰り返す。
仕方なく漁船を出してそばに近づき注意すると、無言でふてくされたように立ち去る。
バスボートは黒塗りでいかにも高そうな感じだった。
プロか、または、この道にかなり傾倒した人に違いない。
そんな人がとったあの行動。同じルアーマンとして恥ずかしい。
そのあと漁師のおじいさんが見せてくれた網はストッキングのように目が細かく、しなやかなものだった。
しかし、あちこちにルアーが引っかかり、ところどころにゴルフボール大の穴があいていた。
「この穴からうなぎはみんな逃げちまう」おじいさんがちからなくつぶやいた。
もう釣りやめようかと思うほど悲しい出来事だった。
あの場所は何年通っただろう。20年以上通っているよな。
でも、今まで一度だって追い出されるようなことはなかった。
これも時代の変化なのだろうか?。
なんか思い出の場所をひとつ失ったようで胸が締め付けられるような寂しさを感じた。
もう二度とあそこには行かないかもしれない。
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