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初心者必見!初めての

水槽立ち上げ

水草水槽&熱帯魚水槽
水槽の立ち上げ方は数多くのサイトで、数多くの方法が紹介されておりますが、非常に凝った手法であったり、上級者向けの手法であったり、商業主義的な手法であったり・・・。ここでは初めて水槽を立ち上げる方に的を絞り、失敗をしない事に重点を置いた水槽の立ち上げ方をご紹介いたします。
水槽の立ち上げ方
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【水槽立ち上げ 水槽編】

水槽を立ち上げるに当たって、最初に悩むのが水槽のサイズです。
ホームセンターなどに広く出回っている水槽は30cm、45cm、60cmがメインです。アクアリウムショップなどに行くと90cm、120cmといった大きな水槽も売られていますが、まず最初に購入するのでしたら間違いなく60cm水槽が良いでしょう。

水槽のサイズが小さいと水の容量が少なく、ちょっとした事で水質が急激に変化してしまいます。大きな水槽ほど水質が安定し、水の管理は楽になりますが、90cm水槽になると、底床などを入れた段階で一人で持ち上げる事が出来なくなり、メンテナンスが非常に難しくなります。

また90cm水槽用のライトやフィルターなどの備品類は、60cm水槽用に比べ極端に高額なっています。さらに60cm水槽セットは売れ筋で価格競争が激しく、量産効果もあるため、その下の45cm水槽セットと比べて、値段的にほとんど差がありません。ですので価格や水質維持、メンテナンス性など総合的に考慮すると必然的に60cm水槽となります。


【水槽立ち上げ 底床編】

水草水槽を立ち上げると言えば、必ず勧められる底床は「ソイル」です。
最近は、金魚水槽でも、ちょっと水草を植えるようなレイアウトだと「ソイル 」を勧められます。

ソイルとは土を小さな粒状に焼き固めたもので、アクアショップなどで売られています。もともと土ですので水草の根に優しく、また粒状になっているため水通しが良く底床内に酸素や栄養が行き届きやすくなっています。

養分も豊富で水質を調整する機能も持っているため、育成が難しい水草でも、それほど手間をかけずに育てる事が出来るというすばらしい底床です。

「水草を植えるならソイル」というのがアクア業界では常識になりつつありますが、ソイルは初心者にとって非常に管理の難しい底床ですので、まったくお勧めできません。

ソイルは水質を調整する機能がありますが、水槽立ち上げ直後はこの機能が強く働き過ぎて、熱帯魚などが住めない水になってしまう事があります。しばらくすると安定するのですが、初心者にとって、安定期を見極める事も、安定期まで待つ事も非常に難しくなっています。

また、ソイルに含まれる栄養分はコケの栄養分にもなり、コケの発生による水槽崩壊の原因になりかねません。一度でも水槽を立ち上げた事があれば、水槽を眺めているだけでコケが発生しそうな状況を察知し、それなりの対策が講じられますが、初めての立ち上げの場合、コケの発生に気づいた時には手遅れになってしまうという事があります。

コケ対策には、コケを食べてくれるエビや魚を投入するのですが、ソイルの水槽は水質が安定するまでに時間がかかりますので、投入するタイミングが少しでも早いとエビや魚が死んでしまいます。
しかし、コケは水質が安定するのを待たず、ソイルの栄養分を吸収しドンドン成長していきますので、投入のタイミングが少しでも遅れると、コケによる水槽崩壊を招いてしまいます。

ソイルは水草の成長にも適しているがコケの成長にも適している。そして水質を調整してくれるが立ち上げ時にはそれが強く働きすぎてしまうと言う、扱いにくい諸刃の刃のようなものです。

初心者が失敗する一番の原因はコケの発生です。ですので、コケの発生要因は完全に取り除き、コケが生えてもその成長を最低限に抑える方法が、リスクの少ない水槽の立ち上げ方になります。

失敗しない事を最優先に考えて水槽を立ち上げるなら、使用する底床はソイルではなく「大磯砂」になります。

大磯砂とは土でも砂でもなく小さな石の塊、いわゆる「砂利」と呼ばれるものです。

大磯砂は石ですので水質を変化させるような成分はほとんど含まれておらず、水槽立ち上げ直後から安定した水質を維持できます。

当然、植物の栄養源になるような物も含まれておりませんので、コケの発生を助長するような作用もありません。

大磯砂では水草は育たないといわれる方もおりますが、そんな事はありません。
確かに育てるのが難しい種類の水草は、大磯砂で育てるよりソイルで育てたほうが失敗は少ないです。しかし、育てるのが難しい水草というのは生産も難しく、ショップでの管理も大変なため、当然値段は驚くほど高額で、扱っているショップも限られています。

ホームセンターやネットショップなどで売られている1株300円から800円程度の水草は、ほとんど生産管理が容易な丈夫な水草ばかりですので、大磯砂でもしっかり育ちます。初めての水槽で、育成の難しい高価な水草を植える人はまずいないでしょうから、初心者にとって最大の敵であるコケの発生の危険を冒してまでソイルを使う必要はないでしょう。

さらに、大磯砂はフィルタと組み合わせる事により、大磯砂自体をろ材として機能させる事が可能です(詳しくは後述の「フィルタ編」にて)。ソイルのようにコケの成長を助長する栄養分を出さないだけでなく、ろ材のようにろ過機能を持たせる事が可能ですので、大磯砂は立ち上げ直後の水槽の水質を維持する上で最高の底床です。

またソイルのように使い捨てではなく、半永久的に使う事が出来る経済性も兼ね備えています。
大磯砂は使えば使うほど、中にまぎれていた貝などが水に溶けてなくなり、硬度的にもさらに安定した底床へとレベルアップしていきます。いわば成長する底床です。

大きさは、大きすぎると水草が根を張りにくくなり、小さすぎると水通しが悪くなるため、1分(4mm〜6mm)程度がバランスの良い大きさです。量は9リットル(60cm水槽で5cm程度の厚さ)が良いでしょう。

参考価格


【水槽立ち上げ フィルタ編】

フィルタには2つの役割があります。1つは「物理ろ過」、そしてもう1つが「生物ろ過」です。
ろ過と言うと熱帯魚の糞や枯れた葉などを濾し取る「物理ろ過」のイメージが強いですが、実際は熱帯魚の糞尿や枯葉などから出るアンモニアなどの有害物質を、バクテリアの力を借りて分解する「生物ろ過」が最も重要な役割になっています。

フィルターの種類はいろいろありますが、熱帯魚水槽を立ち上げるのでしたら、上部フィルタを使用します。

上部フィルタは、ポンプで吸い上げた水槽の水をろ材の上にシャワーのように降らせ、それをまた水槽に戻すという単純な構造ですが、ろ材に降りそそぐ水は新鮮な空気を大量に含むため、バクテリアによる分解の効率が非常に高くなります。

水槽の上に設置できるため余分なスペースを必要としませんし、大量の酸素を含んだ水が水槽に戻りますのでエアレーションを設置する必要もありません。ろ材容量の多さ、そしてろ材を自由に選べる点などを考慮すると、最高のコストパフォーマンスを持ったフィルターですので、使わない手はありません。

熱帯魚(金魚)水槽では最強とも言える上部フィルターですが、水草水槽となると話は変わります。
魚には酸素が必要ですが、水草には二酸化炭素が必要となりますので、水中の二酸化炭素を逃がし、新鮮な空気を取り込んでしまう上部フィルターは、水草水槽には合いません。

水草水槽を立ち上げるのでしたら、使用するフィルターは外部フィルターになります。

外部フィルターは密閉式になっているため二酸化炭素を大気中に逃がす事がありません。ただ、上部フィルターなどに比べると非常に高価で、セッティングも難しく、掃除などのメンテナンスも大変です。

ですので、CO2を強制添加し、魚など飼わずに水槽内を水草でいっぱいにしたいと言うような、水草メインの水槽以外では、使う必要はありません。高価な外部フィルターを使用した上で、わざわざ魚のためにエアレーションをするくらいなら、上部フィルター1つで十分です。

しかし、将来的に水草水槽を立ち上げるのであれば、購入は避けられない物である事は確かです。ペットショップで外掛けフィルター付きの金魚水槽セットを買ったものの、すぐ物足りなくなってホームセンターで上部フィルター付きの水槽セットを買い、それでも満足できずにアクアショップで外部フィルターを買う・・・・といった、遠回りによる無駄遣いをされる方が多いのがアクアリウムの特徴ですので、思い切って一番最初に外部フィルターを買ってしまうというのも、結果的に安上がりかもしれません。

また、金魚のように大食漢で水槽を汚しやすい魚を飼うようですと、上部フィルターだけでは生物ろ過能力が不足してしまう可能性があります。そういった場合は、上部フィルターと外部フィルターの併用でろ過能力の増強を計るのも良いでしょう。

外部フィルターを選ぶ第一のポイントは「ろ材容量」です。アンモニアなどを分解してくれるバクテリアの棲家がどれくらい確保できるかで、外部フィルターの性能はほぼ決まってしまいます。

流量が多ければ水槽内に浮遊している糞などを短い時間で濾し取ってくれますが、それはあくまで「物理ろ過」しただけの話でして、フィルターで濾し取った糞などは、やがて水に溶け出し、水質を悪化させます。

水に溶け出した糞尿が水質を悪化させる前に素早く分解してしまうには、大量のバクテリアが必要になるため、最終的に外部フィルターの水質維持性能を左右するのは、バクテリアの量、すなわち、ろ材容量という事になります。

60cm水槽用の外部フィルターを比較し、ろ材容量、価格、使い易さ、メンテナンス性能、アフターサービスなどを考慮した結果、今現在、お勧めの外部フィルターはEX パワーフィルター 75 です。

安さはクラス最上位、ろ材容量も十分です。初めての方でも扱い易いよう随所に工夫が見られ、説明書も分かりやすく出来ています。また、交換パーツやろ材なども充実していて手に入りやすいのも好感が持てます。詳しくはこちら

バクテリアの量を左右するろ材容量は、フィルターによって決まってしますが、水槽立ち上げ時のセッティングの仕方によっては、ろ材容量を一気に増やす事が出来ます。

ニッソーの上部フィルターなどは、上部フィルターと底面フィルターを連結して使用できるフィルターセットが売られています。このフィルターセットを使用し、底面フィルターの上に「水槽立ち上げ 底床編」でご紹介した大磯砂を敷くと、水槽内の水は一度大磯砂を通ってから上部フィルターのポンプに吸い上げられることになります。

通常は止水域となっている底床内に水槽の汚れた水が常に流れ込む事により、底床内にたくさんのバクテリアが繁殖し、底床自体が生物ろ過のろ材の役目を果たす事になります。底床全部がろ材として機能すると、ろ材は一気に9リットルも増える事になります。


通常、糞や食べ残しのエサは底床内へと沈殿して行きますが、底面フィルターがないと底床内に水の流れはほとんどなく十分な酸素がいきわたらないため、沈殿した糞やエサは腐敗して悪臭を放つようになります。無酸素状態の底床内で、嫌気バクテリアの分解によって生じた硫化水素は、換水時などに水中の酸素と反応すると白濁し、いわば青潮のような状態になり、生物にとってあまりよいものではありません。

底面フィルターを使用していない場合は、糞や食べ残しのエサがドンドン底床内に沈んでいきますので、水槽内の水は比較的クリアになります。しかし、これは「臭い物にフタ」をしているだけであって、根本的な解決にはなっていません。底面フィルターを使用すると、沈殿物はポンプに吸い上げられまた水槽内に戻るため、水槽立ち上げ当初は白濁が目に付きますが、底床内にバクテリアが繁殖しだすと、やがてクリアな水へと変わって行きます。

土の塊であるソイルを底床として使用すると崩れて目詰まりを起こしてしまうため、底面フィルターを使用する事が出来なくなってしまいます。コケの成長を助長し、水質がなかなか安定しないだけでなく、底面フィルターを使えないソイルでは水質管理が非常に難しくなりますので、初めての水槽立ち上げで使用する底床はやはり大磯砂が良いでしょう。水槽の管理に自信が付き、難しい水草の育成に挑戦する時が来るまでソイルは取っておきましょう。

外部フィルターでもパイプなどを工夫する事によって、底面フィルターと連結する事が出来ます。

金魚水槽など汚れが激しい水槽で、外部フィルターと上部フィルターを併用する場合は、上部フィルターと外部フィルターで水槽の左右から水を汲み上げると、底面ろ過の効率が上がります。

また、水槽内の糞などの浮遊物が気になるようでしたら、底面ろ過と生物ろ過は外部フィルターに任せ、上部フィルターは水中から直接水を汲み上げる方式で物理ろ過専用にするといった方法もあります。

外部フィルターがない場合は、底面フィルター自体に直接ポンプが付いているものや、エアレーションの力で水を汲み上げるものなどが販売されておりますので、立ち上げる水槽に合わせて組み合わせを選ぶと良いと思います。

汚れの激しい金魚水槽を、ポンプ式底面フィルター、上部フィルター、外部フィルターの完全装備で立ち上げた方がおられます。大きな図解入りで、説明も詳しく分かり易く書かれておりますので、大変参考になります。ぜひ覗いてみてください


【水槽立ち上げ 設備編】

水槽、底床、フィルター以外の細かいものについてご説明致します。

照明
金魚藻を植えて金魚などを飼う場合は、1灯式の照明が1つあれば十分です。
CO2の強制添加はしないものの、熱帯魚と一緒にそれなりの水草を植えるようですと、2灯式のものが1つあれば良いでしょう。二酸化炭素の強制添加をして水草メインの水槽にするとなると2灯式のものが2つ必要になります。
水槽とセットになっているものを購入すると安くなりますが、好みのタイプのものを選んでも良いでしょう。
エアレーション
上部フィルターを使用している場合は不要です。ただしレイアウト変更や、ろ材の掃除、水換え等のために上部フィルターを停止させる時は、一時的にエアレーションが必要になりますので購入の必要はあります。上部フィルターを使用していない場合はエアレーションは必須となりますが、水草水槽で二酸化炭素を強制添加している場合、エアレーションをしてしまうと二酸化炭素が逃げてしまい、二酸化炭素の強制添加の意味がなくなってしまいます。二酸化炭素を強制添加している場合は、水草が光合成をしなくなる夜間のみ、エアレーションを行います。
サーモスタッド

ヒーター
一昔前までは、サーモスタッドに比べヒーターの寿命があまりにも短かったために別々に購入するのが普通でしたが、最近はヒーターの寿命が長くなったため、サーモスタッドとヒーターが一緒になって価格を抑えたものが主流になっています。品質的にはどのメーカーもそれ程変わらないので、水槽のサイズに合ったものから、お好みで選べば良いでしょう。ただ、リセットやレイアウトの変更の時、つい夢中になり空焚きをしてしまう事が良くありますので、必ず空焚き防止機能(セーフティ)が付いたものを選びましょう。
CO2
最初から本格的に水草水槽に挑戦するのでしたら、二酸化炭素の強制添加は避けられません。二酸化炭素の強制添加につきましてはいろいろな方法がありますが、お勧めは大型ボンベ(通称ミドボン)を使用した強制添加です。一昔前まではレギュレーターなどの入手が難しく、一般的ではありませんでしたが、最近はネットショップ などで手軽に手に入れる事が出来るようになり、たくさんの方が実践しています。小型ボンベなどに比べると、ランニングコストが段違いに安いのが最大の長所です。詳しくはこちら


【水槽立ち上げ 実践編】

フィルターやヒーターのセッティングにつきましてはヤマコウさんのサイトにて、非常に分かり易く説明されておりますので、そちらを参考にしてください。ここではセッティング完了後から、失敗のリスクを最小限に抑えた水槽の立ち上げ方をご紹介いたします。

良く洗った大磯砂を敷いた後、水草を植えていきますが、レイアウトに夢中になるあまり、まだ植えていない水草を干からびさせてしまう事が良くありますので、100円ショップなどで買ってきたバットに水草を入れ、水を軽く張っておくと良いでしょう。
水は必ずカルキ抜きしたものを使います。
水槽の水が多くても少なくても水草を植えづらいので、植える水草の背丈に合わせて水位を調整すると比較的楽に水草を植えることができます。このとき入れる水もカルキ抜きしたものを使用します。
水草のレイアウトが終わったら、水槽にカルキ抜きした水を張り、
フィルターやヒーターなどを稼動させます。

これで、とりあえず水槽の原型が完成です。そして、ここからコケの発生を抑えつつ、生物ろ過の整った安定した水槽を作り上げて行く事になります。

通常ですと、ここで「パイロットフィッシュ」と呼ばれる魚を投入します。

バクテリアの繁殖には魚の糞尿が必要だから、その糞尿を供給する魚が不可欠。ですので、すぐにでも魚を投入したいのですが、立ち上げたばかりの水槽では普通の魚は死んでしまう。そこで、劣悪な環境でも生き残る強さを持ち、万が一、死んでしまってもかまわないような安い魚の存在がクローズアップされ、その魚を「パイロットフィッシュ」と呼ぶようになりました。

しかし、実際は植えた時に傷んでしまった水草の根や葉が朽ちるため、水槽内にバクテリアが繁殖するための栄養分は十分あります。ですので、死んでしまう事を前提にしたようなパイロットフィッシュの投入はやめましょう。

そしてこの時期勧められるのが「バクテリアの素」と呼ばれるものです。
立ち上げた水槽にはバクテリアがいないため、そのバクテリアを商品として販売しているのですが、これは初心者の不安を煽るようなやり方で、あまり良い商法とは思えません。

「コケの素」を投入しなくても、水槽立ち上げ3日後には多種多様なコケが生え始めるのに、「バクテリアの素」を投入しないとバクテリアが繁殖しないというのはおかしな話です。

最初に植えた水草の葉には、多種多様なバクテリアが大量に付着しています。そのバクテリアたちが、立ち上げた水槽の環境の変化に合わせ生存競争を繰り広げ、やがてその水槽にあった構成比率で共存するようになります。ですので、いきなり大量のバクテリアを投入しても、ただ共倒れ増やすだけで何の意味もありません。

自然発生したバクテリアたちが、自分の立ち上げた水槽の環境に合わせて共存の道を模索している姿を想像すれば、小さな水槽が、それ自体でひとつの世界であるように感じられると思います。
人為的な事はなるべく排除し、自然なままを楽しんでみてはいかがでしょうか。

「バクテリアの素」が無くてもバクテリアが発生するように、「コケの素」が無くてもコケは大量発生してしまいます。大磯砂を底床に使えば、ソイルなどコケの栄養分になるものは水槽内にありませんので、あっという間にコケが水草を覆い尽くして枯らしてしまうような事にはなりませんが、それでも手をこまねいていると水槽崩壊に繋がりかねません。

水槽立ち上げ後は毎日水を取り替えましょう。水槽立ち上げ直後のこの時期、通常ですとパイロットフィッシュの負担も考え、1日1回、水槽の水の半分程度の水換えを行うのが一般的ですが、パイロットフィッシュが入っていないこのやり方ですと、水換えは無制限に行うことが出来ます。

基本は1日1回、水槽の水の半分程度ですが、水槽を立ち上げた翌日などは水槽の水を全部交換してしまってもかまいません。また、白濁などが気になる様な時も、全部水換えしてしまいましょう。
ただし、交換する水は必ずカルキ抜きしてください。カルキが少しでも残っているとバクテリアを殺してしまう事になります。また、ヒーターの空焚きには、くれぐれも注意してください。

この作業を1週間繰り返します。底床に養分が豊富なソイルを使っていると、この時期、とろろ状のコケが大量発生し、水草にまで絡み付くようになり、死んでしまう事を覚悟の上でコケ取り用の熱帯魚を投入すべきか、それとも水質が安定するまで待つべきか、非常に難しい選択を迫られることになりますが、大磯砂の場合、養分がまったく無いため、コケが猛威を振るう事無く、水換えだけで水槽を安定維持する事が出来るはずです。

ガラス面にコケが付着し、水槽内が見えにくくなりますが、ガラス面に付いたコケは除去せずしばらくは我慢してください。ガラス面のコケが栄養を吸収することにより、水草などに生えるコケに回る栄養分が少なくなるという効果があります。ガラス面のコケはいつでも除去できますが、水草に生えるコケは水草を枯らしてしまう恐れがあります。多少見苦しいですが、ガラスに付いたコケは水草を守っていると考えて我慢してください。

この時期の水質の変化につきましては「ヤマコウさんのサイト」に詳しく掲載されております。
非常に貴重なデータがそろっておりますので、とても参考になると思います。

1週間もすると水槽の環境に合わせてバクテリアが十分繁殖しているはずです。ソイルのような水質を変化させるものも入っておりませんので、ここでコケを食べてくれるエビや熱帯魚などを投入することが出来ます。

投入するのはヤマトヌマエビやオトシンクルスなど。水槽の状況に合わせて組み合わせを選んでください。詳しくはこちら。エビや熱帯魚などを投入すると、水質を急激に変化させるような換水は控えなくてはなりません。投入前に長い間我慢してきたガラス面のコケをプラスチック製の三角定規などで綺麗に除去し、水槽内の水を全て換水します。投入後は1日1回、10リットル程度の換水量にしましょう。

オトシンクルスやヤマトヌマエビが投入できれば、コケによる水槽崩壊の可能性はほとんど無くなったと言って良いでしょう。投入後、1週間程度はコケとの一進一退の攻防になりますが、やがてコケは劣勢になり、コケのない完成された水槽へと変貌していくはずです。

ヤマトヌマエビやオトシンクルスを投入してから1週間は、1日1回10リットルの水換えを行い、その後は1週間に1回、水槽の水の1/3程度の水換えを日常の管理として行うようにします。

1週目
最低でも1日1回、水槽の水の半分を換水。
立ち上げ翌日や、白濁が目立つような時は全換水。
ただし、ヒーターの空焚きに注意。
2週目
ガラス面の掃除、全換水後、ヤマトヌマエビやオトシンクルスなどを投入。
換水量は1日1回、10リットル程度。
ただし、上部フィルターの停止による酸欠や、ヒーターの空焚きに注意。
3週目以降
週に1回、水槽の水の1/3程度。
ただし、上部フィルターの停止による酸欠や、ヒーターの空焚きに注意。


【水槽立ち上げ 白濁編】

コケとの攻防に勝利すると、水槽のちょっとした濁り(白濁)が気になるようになりますが、水槽内で飼育している生物やエサの量が適正で、水換えをきちんと行っていれば、白濁は1ヶ月もしないうちになくなってしまいます。

白濁の原因物質は日々バクテリアによって分解されておりますので、それを上回る供給がない限り、やがて白濁は収まります。しかし1ヶ月が過ぎても白濁が収まらないような場合は、バクテリアの分解を上回る供給がなされているという事になり、水槽への供給源はエサ以外無い事を考えれば、白濁の原因はエサの与え過ぎという事になります。

このような場合、水中に沈んでしまうようなエサは食べの残しが回収しにくいため、浮上性のエサ の使用をお勧めします。食べ残したエサは網ですくって完全に取り去るようにすれば、白濁の原因物質の供給を最低限の抑える事が出来るため、一週間もしないうちに白濁の改善が見られるはずです。

それでも白濁に改善が見られないようですと、フィルターの能力に対して飼育している魚の数が多すぎるため、バクテリアによる魚の糞の分解が追いついていない可能性があります。フィルターの能力を増強するか、または魚の数を減らすなど、状況に応じた対処が必要になると思います。

また、1ヶ月もたてば白濁は収まる事は分かっているものの、どうしても気になり、それまで待てないという場合には、物理ろ過にて取り除く方法もございます。

上部フィルターを使用しているのであれば、上部フィルターのマットの間にブラックホール吸着シマックス などの活性炭を挟み込む方法や、マット自体を活性炭入りのもの に変えてしまい、白濁を吸着させてしまう方法があります。

だいたい3日程度で澄んだ水に変わり、活性炭の寿命が尽きる頃には、活性炭無しでも白濁しない水槽になっているでしょう。

活性炭は寿命が短いため外部フィルター内に設置すると後々取り出すのが面倒です。上部フィルターを使用していない場合のお勧めは、なんといっても水作エイト 。私の実践している方法です。

一度は見た事があるのではないでしょうか。流行り廃りの激しいアクアリウム業界で、信じられないほど売れ続けている長寿商品です。

価格が安く、見た目も貧弱、構造も単純ですので、効果などあまり無いように感じられますが、一度使うとその物理ろ過能力にビックリすると思います。

その辺が、たくさんの方に支持され、長寿商品になっている理由のようです。

白濁している間は、ちょっと見栄えが悪いですが水槽の中央奥辺りに置き、白濁がなくなってきたら、肩まで底床に埋めてしまえばほとんど場所を取りませんし、取り出してしまってもかまいません。

二酸化炭素を強制添加している水草水槽の場合は、水草が光合成をしなくなる夜間のエアレーションを利用します。実際に水槽に入れるとなると、意外に場所を取りますので「S」 がお勧めです。
交換フィルター類を含め、近所のホームセンターやペットショップなどで簡単に手に入ると思います。


【水槽立ち上げ 肥料編】

最後に肥料についてですが、立ち上げ後、1ヶ月間は生物ろ過が十分機能していないため、肥料は水質悪化の原因にしかなりませんので決して与えてはいけません。また、毎週の水換えの時に水が緑がかっていたり、青臭いようですと、水中に養分が余っていてコケが発生しやすい状態ですので肥料を与える必要はありません。

ガラス面にまったくコケが付かない、そして換水の時に取り出した水槽内の水が緑がかったり、青臭いような事がない場合のみ、肥料を与えてください。肥料の与え方はこちら
肥料を与えてから2、3日後にガラス面に細い産毛状のコケが生えるようですと、肥料を与えすぎです。肥料を与えたあとは通常に増して水槽内の変化に注意を払ってください。


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