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羽化後繁殖テスト



オオクワガタは羽化後、どれくらいの期間で成熟し、繁殖が可能となるのでしょう。

3ヶ月?。6ヶ月?。

そんな疑問を解消するため実験中です。



沢山の個体を使い、平行して実験が出来れば良いのですが、生まれた幼虫の飼育の事も考えると、飼育スペースの関係上、1頭ずつの実験が限界です。
オスとメス、どちらから成熟テストをしようか悩みましたが、比較的個体差の少ないメスのほうから羽化後の成熟期間を調べてみることにしました。


(2006年7月14日羽化)
2006年8月26日 後食開始
2006年7月14日日羽化した新成虫です。

このメスを使い羽化後2ヶ月でペアリングを行い、産卵セットに投入してみます。

もし、産卵するようですと、羽化後の熟成期間の定説がかなり短縮されます。

産卵しないようでしたら、別の新成虫を使用し、羽化後3ヶ月でのペアリングにチャレンジする予定です。


2006年9月16日 ペアリング開始
オスに問題があると意味が無いので、オスは子孫を残した実績のある2頭を選抜。

1頭目のオスと4日間、そしてその後、もう1頭のオスと4日間ペアリングを行い、1週間の休息を経て産卵セットに投入です。

翌日。

多分まだ成熟していないから、マットの中に潜ってしまうだろうと思っていましたが、予想に反して、かなりエサに執着しておりました。

単独で飼育していた頃は、20日たっても1つのゼリーを平らげていませんでしたので、この食欲は、もしかしたら体内の卵に起因するかもしれません。

それに、エサを食べるメスを守るかのように寄り添うオスのこの体制は、交尾の前後に見られるTポジションにかなり近いものがあります。

もしかしたら、交尾をしているのかもしれないと思い観察を密にしていると・・・・


2006年9月17日 交尾確認
それほど時を経ず、交尾が確認できました。

やはりあの食欲は、卵を体内で育てるため、そして産卵に向けて体力を蓄えるためである可能性がかなり高いです。

交尾、そして急激な食欲の増加・・・・。

成熟期間の定説の短縮に向けて、これはかなり期待が持てます。

しかし、順調だったのはここまで。
交尾を確認できた2日後から、メスはまったく活動しなくなってしまいました。

一番大きな木片の下に隠れたまま、じっとしているだけ。

羽化後、20日間で16グラムのゼリーを半分、そしてペアリング中にオスと一緒に16グラムのゼリーを1つ・・・産卵前のメスにしては食欲が少なすぎます。

それに、もし栄養が十分取れているとしたら、産卵場所を求めてケース内を活発に動き回るはずです。

数年にわたる観察によって得られた私の知識を総合すると、このメスが産卵する確率はほぼ0です。しかし、今回は産卵が目的ではありませんので、このまま実験を継続です。
もし産卵しなかった場合でも「羽化後2ヶ月では産卵できない」という研究成果が得られるわけですから。


2006年9月21日ペアリング相手を別のオスに変更
オスに起因する産卵の失敗の確率を最小限にとどめるため、予定通り、ペアリング相手を別のオスに変更しました。

ペアリング相手を変更した21日以降、メスがかなり活発に活動するようになりました。
行動を観察した限りでは、産卵場所を求めているように見受けられましたが、食べているエサの量があまりにも少ないのがとても気になります。


2006年9月24日産卵セットに投入

9月24日、予定通り産卵セットにメスを移しました。ケースは飼育ケース大。産卵木は太くて柔らかいものを1本、マットに完全に埋め込みました。

10月28日、産卵セットに投入してから1ヶ月たちましたので、メスを産卵セットから取り出し産卵木の確認を致しました。


2006年10月28日割り出し
産卵木は、1ヶ所だけ穴があけられている状態。自分が隠れるためにメスがあけた穴だと判断できます。


他には削られた様子がなかったですし、マットの中にも幼虫の姿が見られなかったため、産卵していないと判断し、即割り出しをしてみたところ、やはり産卵していませんでした。

さすがに羽化後2ヶ月では産卵しないようです。

交尾から1年以上たっても産卵が可能である事が実験によって確認できましたので、このメスも体内に精子を保存している可能性があります。


2006年10月28日新たな産卵セットに投入
ですので、このメスは新たな産卵セットに投入し、引き続き産卵テストに協力してもらう事に致しました。

1ヶ月後に産卵木を確認したところ、


2006年12月2日産卵されておらず
まったく産卵されている形跡無し。

産卵木の裏側に、ちょうど自分が入れるくらいのスペースの穴を削りあけ、そこでじっとしていました。


2006年12月2日オスと共に産卵セットへ
メスの成熟以外の要因を排除すべく、オスを同居させての産卵セットへと変更いたしました。

来月になれば、羽化後6ヶ月になりますので、そろそろ産卵しても良い時期だと思うのですが・・・・。

2007年3月3日。

残念ながら、産卵を確認する事は出来ませんでした。
このメスは、羽化してからすでに7ヶ月以上たっております。一般的には羽化後6ヶ月で産卵可能との事ですので、たとえこの後、このメスが産卵したとしても何の意味もないため、この実験は一時中断する事に致しました。

後日、適当な時期に改めて再実験を行いたいと思います。

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