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2005年8月6日 オオクワガタの卵
なんかとっても「久しぶり」って感じの割り出しです。
前回、割り出しをしたのはいつかなって、思わず調べてしまいました。

さて、今回は4つの産卵セット。しかも産卵木をぎっしり詰めた産卵セットで、かなりの頭数が期待されます。期待に胸を膨らませてはおりますが、とめどなく食べまくる幼虫たちへ菌糸ビンの供給を考えると多少憂鬱な面も(笑)。

今回は、産卵セット自体が実験となっておりました。

「カブトムシの蛹を食べさせると産卵数が上がる」

という噂話を検証するために、手塩にかけて肥育したミルワームの蛹をクワガタのメスに食べさせて、産卵数の増加具合を探るため実験です。

蛹を食べさせた効果は出るのでしょうか?。

まず最初に割り出したのは蛹を食べさせたメスの産卵セット。もちろん産んでいてくれないと、この実験は成り立ちません。

ホームページで大々的に「実験だ〜!」なんて言っている分、かなりのプレッシャーになっております(^_^;)
しかし、マットから産卵木を抜き出し、割り出し作業を始めると、もはや実験の事など忘れて、ただひたすらクワガタの幼虫を追いかける一人の少年と化しておりました。

いい具合にメスに削られ、産卵の匂いがプンプンする産卵木を取り出しワクワク。

気合を入れて産卵木を裂くと、そこには瑞々しい麗しの幼虫たちの姿が!。

ホント、何度やっても胸が高鳴りますよね。
裂く瞬間のワクワク感。裂いた面を覗き込む時のドキドキ感。そして幼虫を見つけた時の喜び。

クワガタ飼育で最も好きなひと時です。

1セット目は全部で34頭。蛹をたんまり食べさせたものの平均的な割り出し頭数です。
さあ、もう1セット蛹を食べさせたメスのケースが残っています。こちらの方はどうでしょう。

マットに埋め込まれた産卵木を引っこ抜いてみてビックリ。どれもこれもほとんど原形をとどめていません。

マットから出ている部分を残して、下半分が完全に崩れてしまっているものさえあります。

「メスがかじったのか?」

注意深く見てみるとそうではないようです。削りカスはメスがかじった時に出る細い棒状のものではなく、かなり細かいカスです。

と、言う事は・・・・考えられるのは幼虫がかじってしまったという事。暑い日が続いたので、思った以上に幼虫の成長速度が早かったのでしょうか。

しかし、1セット目はほとんどが初令。割り出しのタイミングとしては完璧だった。
同じ日にセットしたのにそんなに差が出るものだろうか?。

産卵木はひとまず置いておいて、まずはマットの中に出てしまった幼虫の回収からはじめる事に。

するとどうでしょう、出るわ出るわ。1セット目は2,3頭しかいなかったマットに出てしまった幼虫が、このセットからは20頭近く。

しかも、3令と思われる大きさの幼虫まで出てきました。
同じ日にセットし、同じ場所で管理しておりましたので、産卵開始が早かったというのが最有力の原因なのでしょう。

しかし、後の2セットも含めて、このセットだけが異常に産卵開始が早かった理由ははっきりしませんでした。このメスには来年も産卵させてその理由を突き止めてみたいと思います。

産卵木の方からも20頭以上の幼虫が出てきて、合計で43頭の大収穫となりました。
産卵木が原形をとどめていなかったのは、産卵数が多かったのも原因のようです。

写真は多分無性卵。
でも、メスの産卵の様子を知るのにもってこいの材料になりました。

メスは写真右からまっすぐ材を掘り始め、その先端にちょっとした窪みを作り、そこに産卵しているようです。

そして掘った穴は、卵の周りにだけ空間を残し、あとは丁寧に埋め戻されていました。

我が子への愛情の深さが感じられます。

さて、割り出しの方ですが、蛹を食べさせなかったメスの産卵数は32頭と28頭でした。

蛹をたっぷり食べさせたメスの産卵数 市販のゼリーだけを食べさせたメスの産卵数
34頭と43頭   合計77頭
32頭と28頭   合計60頭

この差をどう見るかですね。
私としては「蛹を食べさせてもそれ程差は出ないはず」と思っておりましたので、かなり意外な結果でした。
あまり差が出ずに「わざわざ1つの命を犠牲にする事はありませんよ」という結論が理想だったのですが・・・・・。

結果は数値として出ましたので、あとは皆さんなりにこの数値を解釈し、ご自分の倫理に照らし合わせて飼育方法に反映させていただけると嬉しいです。

今回の割り出し頭数は137頭。
ドルクスデザイン史上最高の収穫です。
↑そんな大げさなもんでもありませんが(^^ゞ

小さな小さな命は、夢の80ミリに向かって力強く歩み始めました。この先どんなドラマが待っているのでしょうか。

割り出し頭数が多かったので、添加剤によるグループ分けのほかに、温度によるグループ分けも行いました。

ワインセラーで24度に保温されたグループと、自然のまま外気で育てるグループです。

育ち盛りの時期は、無理やり低温にしないほうが良いような気もします。
低温はあくまで蛹化の阻止の時のみ。それ以外の時期は暖かい気候でのびのび育てる。
そんな育て方。さて、どんな結果が出ますでしょうか。

そうそう、「研究室」クイズのようなものを作ってみましたのでチャレンジしてみてください。

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