サル山のサルを、小さい子供たちと見ている時にふと頭に浮かんだ。
「野生のオスの子ザルは、成長して若者になると群を離れるんだよなぁ」
それは近親交配を避けるためにDNAに刻み込まれたサルたちの習性。
赤ちゃんサルたちは親から離れる事をあんなに嫌り、恐怖さえ感じているのに。
子ザルたちは仲間の子ザルたちと遊ぶのをあんなに楽しんでいるのに。
成長した野生のオスザルは群を離れる。
「不思議だな」
真逆ともいえる心境の変化を、群から離れていく若いオスザルたちはどの様に感じているのでしょう。
「俺たち人間には分からない事か・・・」
そう結論付けようと思ったとき、若き日の記憶が蘇ってきた。
一番大切だと思っていた両親が急に疎ましくなったり。
家にも学校にも自分の居場所が無い様に思えたり。仲間でつるむ事に嫌気が差したり。
バイクに乗って一人どこか遠くに旅立つ歌に心を惹かれていたあの時・・・・。
反抗期。
そう考えると、反抗期というのは種の多様性を維持するための手段として、原猿の頃から我々のDNAに刻み込まれた行動様式のなごりなのかもしれませんね。 |