自転車がだいぶ古くなり、ガタが出てきたので買い換える事にいたしました。
今乗っているのは「ロードバイク」といわれる、いわゆるロードレースタイプの自転車。
それなりに高価な自転車でした。
私は東京湾岸でシーバス釣りをするのですが、海岸線沿いに遊歩道が整備された東京湾の埋立地で昼間、シーバスポイントの下見をするのにはなんと言っても自転車が一番。
自動車では海岸線を「点」でしか捉えられませんが、自転車なら埋立地の海岸線沿いの遊歩道を走る事により、グルっと1周余す事無く調査できます。
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城南島や平和島、京浜島など、埋立地と埋立地の間は、ちょっと傾斜のある長い橋によって結ばれています。自動車なら軽くアクセルを踏み込むだけで簡単に越えられてしまうような坂道なのですが、自転車だとかなりきつい。 |
いわゆる「立ちコギ」スタイルで体を左右に振りながら、ペダルに全体重をかけるようにして、一漕ぎ一漕ぎ坂道を登って行くのですが、坂の頂上である橋の中央に差し掛かるころには息も絶え絶え。
「こんなきついのはもうこりごり」・・・となるのが普通なのですが、そこには自転車で登って来た人だけがもらえる、ちょっとしたご褒美が用意してあります。
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どこまでも続く青い空と青い海。
白波をたてて眼下を走り抜けるボート。
遠く飛び立って行く飛行機。
そしてなにより火照った体を冷やしてくれる優しく爽やか潮風。 |
汗が引き、呼吸が整ったあとも、去ってしまうのがもったいないくらいすばらしい場所です。
春先や秋口にシーバスポイントを自転車で下見をしているうちに、自然と自転車の魅力に取り付かれてしまいました。
こうなると、トコトンはまってしまうのがよしだっち(笑)。しばらくすると、上り坂も楽に走破出来る軽量アルミフレームに、アホみたいに沢山の変速ギアが付いた、ビアンキというイタリアのメーカーの自転車を購入してしまいました(笑)。それが今乗っている自転車。
こちらは2007年最新モデルです。
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そりゃもうスゴイ自転車ですよ。持てば軽いし、走れば早い。どんな上り坂も自分に合ったギアを選んでらくらく走破。
まさに夢のような自転車で、買った当時は埋立地を走るだけじゃ飽き足らず、産卵が差し迫ったサケのごとく、多摩川沿いの道をどこまでもどこまでも遡上して行ったもんでした(笑)。 |
でも、自転車熱がある程度さめてくると、最高とも思えたこの自転車にもかなりの欠点が。
この自転車はレース用に高速で巡航するのを目的に作られておりますので、高速走行での安定性はメチャクチャいいんです。しかしそれは裏を返せば低速での小回りが効かないという事。
商店街の人ごみを縫うように走るなんて、安物のママチャリでさえ簡単にこなしてしまう走法も、この自転車にとってはかなり難しい芸当になってしまいます。ですので、日々のちょっとした配達や買い物では使用が難しく、高価で高性能な自分の自転車を持っているにもかかわらず、わざわざ母の安物のママチャリを借りて出かける始末。
「日々のちょっとした買い物にも十分使えて、年に数回は遠出が楽しめるような自転車がいいなぁ・・・」
新しい自転車の構想は決まりました。
あとはこの構想に当てはまる自転車を探すだけですね。
今回の構想に合う自転車は「クロスバイク」と言う種類に分類されます。
クロスバイク・・・・変な名前ですね。
山道を走破するマウンテンバイクと整地を高速巡航するロードバイクの両方の特徴を兼ね備えている・・・クロスオーバーしている・・・というのが名前の由来らしいです。
マウンテンバイクほどの悪路走破性能はいらないし、ロードバイクのような高速巡航性能も必要ない。街乗りにはその中間辺りのクロスバイクが一番適しているという事で、都市部を中心に最近人気の車種になっています。
クロスバイクと一言で言っても、マウンテンバイクに近いものからロードバイクに近いものまで多種多様。さらに人気というだけあって各メーカーからそれぞれのコンセプトで沢山の種類のクロスバイクが発売されていますので、その中から1台を選ぶとなるとメチャクチャ大変です。
でも今回は、絶対譲らないひとつの約束事を決めました。
「一番安い自転車を買おう!」
自転車なんて趣味の世界です。少しでも軽いものを、少しでも速いものを、少しでも快適なものを、少しでもかっこよいものを・・・と考えていくと10万円、20万円、50万円と天井知らず。
メーカー側もマニアの心をくすぐるコツを良くわきまえていて、巧みな販売戦術を仕掛けてきます。そんな誘惑に乗っていたんでは、あっという間に破産してクワガタのエサや新しいルアーが買えなくなっちゃいます。
「軽量アルミフレームなんていらない!」
アルミを使って車重を軽くする事でマニア心をくすぐり、ちょっとグレードの高い自転車を掴ませるのがメーカーの戦術。そんな手に乗るもんか!。逆に重いくらいが運動不足解消にもなってちょうど良い(と自分に言い聞かせる・・・・笑)。
運動不足だから自転車通勤を始めたという話を良く聞くけど、そのために軽量化された高級自転車を買ったのでは、筋肉を鍛えるのにわざわざ高価なアルミ素材を使用し軽量化されたダンベルを買うのと同じようなもんだ。
「ギアなんて6段もあれば十分」
こちらは7段、こちらは8段、こちらは21段、こちらは24段・・・とギア数を増やす事でマニア心をくすぐり、ちょっとグレードの高い自転車を掴ませるのもメーカーの戦術。そんな手にも乗らないぞ!。どうせ走るのは埋立地。ママチャリではきつ過ぎて登れないような上り坂も、速すぎてペダルが付いて行かないような下り坂もない(と自分に言い聞かせる・・・・笑)。
こうなると、購入候補になるのは各メーカーのクロスバイクの中の一番低いグレード。
かなりの低価格が予想されます。さっそく有名どころのメーカーのホームページに行って、一番安いクロスバイクを調べてみる事に。
自転車はヨーロッパでとても盛んなスポーツですので、有名どころのメーカーは、ほぼヨーロッパに集中しています。しかし、さすがにヨーロッパの一流メーカーはクロスバイクといえども手を抜いていません。ブランドイメージを守るためかどうかは分かりませんが、私の予算で買える様なグレードのクロスバイクはありませんでした。
次に見に行ったのは台湾のメーカーのホームページ。技術力の高さは世界でも有数のメーカーで「同じ値段でワンランク上の自転車が手に入る」といわれているメーカー。しかしこちらも「レース用に比べたら驚くほど格安」という程度で、とてもママチャリ感覚で買えるような値段ではありませんでした。
「本体が33000円。それに前カゴとライトとカギを付けたら4万円は超えるなぁ」
クロスバイクといえども、走る事を目的に考えたれた自転車ですので、余計な装備は後付となります。ライトの装着は法律で定められていますし、私の使用目的から言って前カゴは必須。
スポーツバイクを安くしていったのでは最低でも4万円はかかってしまうようです。
「日本のメーカーはどうなんだろう」
日本のメーカーといっても製造しているのは中国辺り。ママチャリなら1万円を切る価格で売られています。そのママチャリを安く作るノウハウを生かしてクロスバイクを製造していれば、もっと安いものがあるかも。
それに、私が求めているクロスバイクは、マウンテンバイクとロードバイクのクロスオーバーというより、ママチャリとロードバイクのクロスオーバーといったイメージです。ママチャリといえば日本で生まれた日本固有の自転車。灯台下暗しだったかも。
さっそく日本の自転車メーカーのホームページへ。
するとありました、ありました。さすがママチャリを育んで来たお国柄といったところでしょうか。
前カゴも標準装備、カギも標準装備、ズボンのすそが汚れないようにチェーンカバーも標準装備、ライトなんか暗くなると勝手に点灯するオートライトが標準装備。走りも楽しめそうなクロスバイクっぽい形をしていているにもかかわらず、お値段なんと3万円以下というのが数種類。
「6段変速に、車重は18sか・・・・」
この辺のスペックを見てしまうとロードバイクと言うには程遠く、フレームの形を少し変更したママチャリといったところですね(笑)。しかしギヤを増やして車重を軽くすれば、極端に値段が跳ね上がるのもたしか。月に2、3回のお使いと、年に2、3回の遠乗りにはこの程度のスペックと、この程度の値段が一番良い(と自分に言い聞かせる・・・・笑)
で、数種類の自転車の中から、ある程度信頼できるメーカーのうち、一番安いものを選び、購入に至った自転車がこれ。
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ミヤタ SJクロス(スタージャック・クロス)
前カゴ、オートライト、泥除け、チェーンカバー、スタンド、カギなど、一般的なクロスバイクには付いていないけど、私が望んでいたものは余すこと無くフル装備。
変速機は実用性のみを追求した7段変速。
車重は重量感溢れる18.5kg(笑)。 |
まあ、値段が値段だけに、フォルムはいっちょまえにクロスバイクっぽいですが、中身はママチャリに毛が生えた様なモンです、はい。でも、ママチャリと違ってこのフォルムなら、愛着も湧きますし、ちょっと遠乗りしたい気分にもなりますよね。
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メタルホワイトとシルバーで、どちらにしようか迷ったのですが、どちらとも決めかねず、最後にはサイコロでシルバーに決めたのですが、ホワイトの方が良かったかなぁと、後悔してます。
でも、ホワイトに決まったら決まったで、シルバーの方が良かったかなぁと、後悔するんですよね、きっと(笑)。 |
ロードバイクのように極端な前傾姿勢にはならないので、低速での小回りは効きますし、カゴに重い荷物を載せた時の安定性も、ママチャリほどではありませんが、それなりにありますので、日々のお使いにも気軽に乗る事が出来そうです。
でも、スタンドが両足じゃないから狭いスペースに止める時はちょっと不便かな。両足スタンドなんてホームセンターに行けば2000円くらいで売っているから付けちゃってもいいんだけど、前カゴだけならまだしも、両足スタンドまで付いちゃうと、ちょっと興ざめですよね(^_^;)
あとはタイヤがオフロード用のゴツゴツとしたブロックタイヤになっているのも気になります。
舗装道路しか走らないんだから、高価なブロックタイヤより安価なママチャリタイヤの方が適しているんだけど・・・・なんか、改悪するためにお金を注ぎ込んだみたいで損した気分(^_^;)
それとギアが低速域に偏りすぎているかな。一番重いギアで普通にペダルを踏むと、出るスピードは30km/hぐらい。街乗りならこれくらいのスピードで十分だけど、埋立地のどこまでも続く広くて真っ直ぐな道を考えると、もう一段重いギアが欲しかった。
サドルもあと5cmほど後ろにあったら・・・なんて贅沢は言えないですよね、なんてったってコスト重視の自転車なんですから。
運転姿勢や、フレーム形状、車重、ギア、装備、価格などを総合的に考えると、この自転車はロードバイクにママチャリを掛け合わせて出来たクロスバイクに、もう一度ママチャリを掛け合わせて出来た「クォーターバイク」といった感じ(笑)。
そして、もっともっと楽しく遠乗りをするために、今回どうしても欲しかったのがこれ。
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CAT EYE(キャット アイ) CC−MC100W
自転車に取り付けるだけで、スピードなどを表示してくれる、いわゆる「サイクルコンピュータ」と呼ばれているやつです。
最近はスピード表示だけのものから、心拍数なんかも表示できるものまで、多種多様なものがありますが、とりあえず基本的な機能があって、すっきり簡単に取り付けられるコードレスタイプのものを選びました。 |
もちろん品質やコストパフォーマンス等をネチネチと調査したのは言うまでもありません(笑)。
液晶画面の上段に表示されているのが現在の速度。下段は画面下のボタンによって表示が変わり、時刻、走行時間、走行距離、平均速度、最高速度、積算距離を表示させる事が出来ます。現在の走行速度が平均速度より早いか遅いかを矢印で表示してくれる「ペースアロー」なんて機能もついちゃって、値段の割にはなかなかの充実振りです。
コードレスですので取り付けはとっても簡単。ドライバーやペンチなどの工具はまったく不要。
両面テープなども付属していますので、必要なのは締め付けた後、余分なナイロンタイを切るハサミくらいです。
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まず自転車のハンドルにブラケットを両面テープで仮設置。
そしてナイロンタイを使ってキュッと縛り上げて固定します。
おお〜、地面に置いた蚊取線香が写真に写り込んでいたとは!。気が付かなかった(^_^;) |
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取り付けたブラケットに、カチッと音が鳴るまで本体をスライド挿入すれば表示部の設置は完了。取り外しも簡単に出来ますので、盗難が心配な人にも考慮した設計になっています。
携帯電話の画面に慣れてしまっていたため、購入当初はちょっと画面が小さいかなって気になってしましたが、自転車に取り付けてみると、これくらいでちょうどよさそう。 |
車輪の回転を感知するセンサーの方は、細かい調整が必要ですが、取り付けはそれ程、難しくありませんでした。
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赤い矢印の先にある黒いものがスピードセンサーの本体です。タイヤを支えている支柱にナイロンタイで固定します。
赤い丸の中にあるのがマグネット。
これはタイヤのスポークにネジで固定します。 |
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スポークに固定されたマグネットが、タイヤと一緒にグルっと回ってスピードセンサーの前を通り抜けると、スピードセンサーがマグネットを感知して1回転をカウント。
それを無線で本体に知らせて、速度などを割り出す構造です。 |
でも、タイヤが1回転した時に進む距離が分からないと、速度や距離が出せませんよね。
その辺はご心配なく。進む距離はあらかじめ本体に設定しておきます。
まずタイヤに書いてあるタイヤのサイズを調べます。
私の自転車のタイヤは27インチ。27インチでも何種類かあって、その中の「27‐3/8」というサイズでした。取扱説明書に書いてある早見表を使って、このタイヤが1回転で進む距離を調べると2169mm。あとはこの数字を本体に入力するだけ。
ボタン類が少ないので本体の操作は結構大変と思いましたが、操作系は良くまとめられていて、長押しなど特別な操作がほとんど無いため、直感的に操作できるようになっています。
多分、よほどのメカオンチでもない限り、一度説明書を読んである程度の操作パターンを理解すれば、あとは説明書が無くても直感的に操作が出来るようになると思います。
自転車についているスピードメーターなんて子供だましみたいなモンで、面白いのは最初だけって感じですが、運動不足の解消だけでなく、気晴らしの遠乗りでも、速度や距離が出ると励みになったり楽しめたりと、それなりの価値はあると思います。なにより、購入当初からの走行距離が積算距離として、どんどん加算されて行くというのがうれしいです。
この自転車を買い換える時、サイクルコンピュータの積算距離の表示はいくつになっているのでしょう。楽しみです。 |