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2004年11月6日 オリジナルケーキ
結婚して家を出た妹から電話がかかってきた。
「お父さんとお母さん、今年で結婚40周年なの。そのお祝いも兼ねてバーベキューやらない?」

ウチは兄弟が4人。それぞれ結婚して家を出ているが、それぞれ偶然にも3歳になる子供たち(私にとっては甥っ子)が一人ずついる。
私の親にとっては孫たち。今が一番かわいい盛りの孫たち。
私の両親もたまにはかわいい孫たち囲まれて幸せを感じたい事でしょう。
これも1つの親孝行。

と、言うことでウチの庭でバーベキューをすることにしました。
ウチの家族はアウトドア派。子供の頃からかまどを作ってまきをくべて調理するなんてお手の物。何しろ父親がそういうのが大好きでしたので、ハイキングなんかにも缶型の固形燃料を持って行って、料理を楽しんでいました。

今でこそ屋外での調理は一般的になりましたが、当時、カセットコンロなんか無く、固形燃料なんてまだ一部の人しか知らない時代でしたので、山の頂上でフライパンを出し、ウインナーやコンビーフを固形燃料でジュージュー焼いている姿は、かなり注目を集めていました。

お湯を沸かしてお茶を飲む頃には「こんなのあるんですね〜」なんて、物めずらしげに固形燃料を見に来る人まで現れるほど。

兄弟が結婚して家を出てからは家族で出かける事も出来なくなり、その代わりといっては何ですが、1年に1度くらいみんなで集まって庭でバーベキューをするようになりました。
年末の餅つきや正月には必ず顔をあわせるので、私としては別にやらなくてもいいとは思うんですけど、とりあえず親孝行ということで。

親には結婚40周年ということは内緒、いつものバーベキューということで話をつける。
妹たちは肉を買ってくると言っておりましたので、私は魚介類担当、出費が痛い。

「お祝いとなるとケーキが必要だよなぁ〜」
バーベキューをした後、ケーキなんか食べられないのは分かりきっている訳ですから、ケーキを買うくらいならその分バーベキューの食材に当てた方が理にかなっている。

「でも・・・」

ケーキというのは不思議な魅力がある。
同じお祝いでも最後にデコレーションケーキが出てくるとなぜか思い出に残る。
家族が一緒の時を過ごす時間が少なくなった今、大切なひとときをしっかり思い出としての残して欲しい。そう考えるとやはりケーキは欠かせない。

ケーキ代は全額私もち。
子供の頃はいつだって長男である私が一番お金をもらっていたから、兄弟で親孝行する時のオプション的な出費は私が払うのが暗黙のルールになってしまってる。

確かにお小遣いは一番多くもらってた。
そりゃそうだ、妹たちが小学生レベルのお小遣いをもらっている頃、私は中学生レベルのお小遣いをもらっていた訳ですから。

妹たちが中学生レベルのお小遣いをもらうようになる頃には、私はバイトで万単位のお金をもらってたし、妹たちがバイトで万単位お金を稼ぐ頃には、私は就職して10万単位のお金をもらってた。

しかし、今はもうお互い社会人なんだし、こういうルールは無しにしたい。
まぁ、そう言えないのが長男のつらいところ。長男の長男たるゆえんか(笑)。

2、3年前。古希のお祝いの時、作ってもらったケーキです。

せっかくのお祝いですから、心に残るようなインパクトのあるケーキを、ということで2段のケーキを発注いたしました。

下段がフルーツトルテ、上段がマロンクリームたっぷりのマロンケーキです。もちろん全額私が負担。値段?聞かないで(笑)。

さすがにこれだけの大きさの2段ケーキは結婚式以外ではお目にかかれませんので、かなりインパクトはあったのですが、いくら大きくても切る角度は人数で決まってしまうので、一人分は、めちゃくちゃ長くて、めちゃくちゃ細くて、めちゃくちゃ背の高いケーキになってしまいました(笑)。

と、言うわけで今回は四角いケーキにしましょう。
あとはデコレーションをどうするかですね。

四角いというだけでもかなりインパクトがありますが、もう少し個性的な感じを出せないだろうか・・・みんなが喜ぶようなもの・・・。喜ばすなら甥っ子たちがターゲット。私の親にとっては孫たちの喜ぶ顔もご馳走の1つですから。

甥っ子たちを喜ばす物ならなんと言っても『機関車トーマス』
なんかしんないけど、ウチの甥っ子たちはトーマスが大好き。お菓子のオマケやらシールやらブロックやら何かにつけて「トーマス、トーマス」。と、なればトーマスをモチーフとしたケーキにしましょう。

「ケーキの表面にトーマスの絵を書くか」
最初は安易な発想でそう思ったのですが、トーマスを調べてみると青が基調。
「青いケーキか・・・・」
頭に思い浮かべる。
青となるとやっぱ合成着色料になるんだろうなぁ。イカ墨みたいに青く染まった口の中を想像すると・・・・・ぶるぶるぶるっ、あんまりうまそうじゃない。しかも体に悪そう(^_^;)

ならば、トーマスの模型を飾り付けたようなケーキにするか。
ジオラマみたいな感じ。丘を作って線路を引いて、民家を作って木を植えて・・・・。
夢が膨らみます。が、予算も膨らみます(笑)。

ジオラマを少し簡略化して・・・・。
トーマスの模型はこっちで用意しましょう。甥っ子たちが持っていたガチャガチャで出てくるやつがちょうど良い多いサイズですので、それを利用することにしましょう。

「真中に丘を置いて、その周りに線路を作って・・・・」
丘は何で作る?
古希のお祝いのときに作ったケーキのマロンクリームの部分がちょうどいい。
線路はチョコレートで書けばいいよな。
だんだん具体化してきましたので設計図を書いて見ましょう。

じゃ〜〜ん。
これがそのとき書いた設計図(実物)です。

どうです、この洗練されたデザイン。リアルな立体感。見ているだけでよだれが出てきちゃうでしょ。

「これは完成予想図ですので実際と『多少』異なることもあります」
と注釈を入れないとまずいかな(笑)。

幼稚園児並みの設計図だって?。
そんな事は無い。絵はともかく、あんな難しい漢字が幼稚園児に書けるわけ無いでしょ!。

とりあえず、このケーキ(?)を作ってくれるところを探さなくっちゃね。

前回、古希のお祝いのケーキを作ってくださったところは、半オーダーメイド的なところでした。しかし、今回は細部にわたってしっかり打ち合わしてくれる事が絶対条件です。

インターネットを使ってこの辺りのケーキ屋さんを片っ端から調べ上げました。
この辺はオリジナルの注文を受けてくれるケーキ屋さんがいっぱいあるんです。
大田区には田園調布がありますし、その先は世田谷。おしゃれなケーキ屋さんを開くにはもってこいの環境みたい。

大田区、世田谷区、川崎市・・・・近隣も含めて探し回った挙句、理想のお店を見つけました。

 Laorange  (ラオランジュ)

ホームページの特注写真集の中にはアンパンマンやクマの顔を描いたケーキ、グランドピアノやピラミッドの形をしたケーキ等、まさにお客さんの要望をしっかり形にしたケーキの写真が沢山並んでいました。


Laorangeさんより許可を得てお借りした写真です。
しかも、その中にフルーツのちりばめ方とフチの飾り付けが私の理想にぴったりのものがありました。

上の設計図で言うところの「生クリームとイチゴで一周」という部分と「青の斜線部にちりばめたフルーツ」というやつ。

ね、設計図と良く似たデザインでしょ(笑)。

こういう所は口ではなかなか説明しにくい部分ですので、サンプルがあるととっても楽だし安心。

早速メールをしてみました。とりあえずどれくらいの値段になるのかな?。

「30cmの四角いケーキで、真中にマロンクリームの丘を作って、線路を敷いて、フルーツをちりばめて・・・・」
大まかな部分を箇条書きにして大体のお見積もりを頂きました。
前回の2段重ねケーキより安いと思っていたのですが、予想を反してかなりの高額。

「27cm角にすると・・・・」
あわてて、サイズを下げて再見積もりしてもらいました(笑)。
しかし、せっかくのお祝い事ですし、質や量を下げるのもなんとなく気が引けましたので、最初の見積もりで注文いたしました。
オランジュさんには何度もお見積もりさせてしまってスミマセンm(__)m

とりあえず、発注は終わりと思ったんですけど、ラオランジュさんから
「出来上がりを予想されている絵などがありましたら見せていただけますか」
とのメール。

「それってもしかして、あの設計図を見せてって事?」
いや〜、まぁ〜、そりゃ〜、それなりの物を書いたつもりではおりますがぁ〜。
設計図を見て、頭の中で再構築し肉付けを行い、想像を膨らませて描き直すと実物に近くなるという、かなり個性的な設計図でして・・・・。

はっきり言って人様にお見せできるような代物じゃ〜ございません(^^ゞ
とは言っても、書き直しても50歩100歩の代物しか書けないでしょうし・・・。
恥も外聞も無くスキャンして送っちゃいました、ダハハハハ〜ッ、参ったか!。

あんな絵を見せるより、文章から想像してラオランジュさんのセンスで作ってもらった方が良かったような・・・・ちょっと後悔。

そんなこんなでケーキの発注は終了。どんな風に出来上がってくるかワクワクしますね。

さて、私のほうはもう一仕事。出来上がったケーキに飾り付けるトーマスのおもちゃを買っておかなくちゃね。

お目当てのガチャガチャが置いてある本屋さんに直行。
ここは1階が本屋さん、2階がレンタルビデオ屋さんで、それをつなぐ階段の踊り場にガチャガチャが置いてあります。

お店に入りガチャガチャの前に直行。かなり恥ずかしいぞ。
周りを気にしつつ投入口を見ると「200円」の文字。
「うっそ〜」
これにはビックリ。私の子供のころは確か20円だったはず。いつの間にこんなに貨幣価値が下がってしまったんだ!。財政赤字のせいか?低金利政策のせいか?インフレ目標をきっちり決めないと大変なことになるぞ、小泉さん!。

ガチャガチャの前面に張ってある説明を見ると、なんとそこには誇らしげに「全17種類」と書いてある。
「トーマスが出てくる確率は17分の1か・・・・」
かなりの低確率。トーマスとその仲間たちの機関車だけならまだしも、クレーンや鉄橋、風車なんてのもある。出てくるものは神のみぞ知る。

「神様トーマスを出してください」
願いを込めてハンドルを右見回す。
「ガチャガチャ」
出てきたカプセルを開ける、灰色の機関車・・・『その仲間たち』だ。
一度で出てくるなんて甘い考えをするほど恵まれた家庭には育っていない。
気を取り直してもう一度。するとなんとまたおんなじ灰色の『その仲間たち』。
先が思いやられる(^_^;)

小銭がなくなったので1階のレジに行き1000円分を100円玉に両替。
「お願いトーマス!」
風車、クレーン、鉄橋、貨車・・・・あっという間に1000円がふっとんだ。

「トーマスなんか出やしね〜よ」
完全にあきらめモード。しかしその時、甥っ子たちの笑顔が眼に浮かんだ。
「おじちゃん、がんばって!」
「うん、おじちゃん負けない!」

1000円札を崩しに行く。1階のレジへはもう行けない、その辺の心境は察してくれ。
2階のレジに直行。
「100円玉に崩してください」
「全部100円玉でよろしいですか」
「あたぼ〜よっ」
遠慮がちにうなづきながら、心の中ではそう叫んでいた。

「こういうものは気合だ!」
気合でうまくいくほど世の中簡単には出来ていないけど、熱くなると気合と根性でなんとかなるような気がするもんだ。
ハンドルを回す手に力がこもる。崩した1000円もなくなりかけたとき、ついにカプセルの中にスカイブルーの機関車の雄姿が!。

「ト〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜マスッ!!」
それはまさにワールドカップでゴールデンゴールを決めた時のアナウンサーの絶叫。
なんという高揚感。なんという充実感。なんという達成感。
「甥っ子たちよ、おじちゃんは勝ったぞ〜!」

大事な大事なトーマスを胸に抱え店を出る。
戦いで熱くほてった体を吹き抜ける秋の風が心地よい。
「ヘックション」
心なしか懐の辺りだけがビミョ〜に寒い。

さてさて、ケーキの用意も終わってほっと一息ついていると、母が訳のわからん事を言い出した。
「安いのでいいから、バーベキューの時ケーキを1つ買って来てくれない?」
おいおい、あんたらのために内緒でケーキを発注し終わったばっかだよ、それも飛びっきりのやつをね。
意味が分からず「何のため?」って聞き返したら、甥っ子たちが幼稚園に合格したそうだ。
そのお祝い。
「ハイハイ、安いやつね」
ケーキはもう発注済。
メッセージプレートを1つ追加すれば良いだけだから安い事には変わりはないか。

みんなそれぞれお祝い事があるのね。お祝い事が無いのはお金を出してケーキを買った私だけ。ちょっと寂しい(笑)。
まぁ、お祝いされる人がケーキを買うというのもおかしいですから、理にはかなっているようですけど。



そしてケーキが完成いたしました。
おいしそうなケーキでしょ。
マウスのポインタを左の写真に重ねると設計図が出て来ます(クリックしちゃだめだよ)。

よくあんなわけのわからん設計図からこんなすばらしいケーキが出来上がったもんだ。
プロというのはすごいね。

引き取りに行くため、ケーキ屋さんのホームページで場所を確認したら、そこはなんと私がアクアリウムで大変お世話になっている「アクアショップいるか」のすぐそば。

「アクアショップいるか」は私が絶大な信頼を置いているお店。水草の安さと品質の良さでは、この辺で右に出るお店は無いでしょう。

「アクアショップいるか」から帰る時、車の方向を変えるために入る路地の1本先。見てはいなかったけど、確実に視界に入っている場所でした。

助手席で誰かにケーキを持ってもらうのが一番安全な輸送方法なのですが、今回はみんなに秘密が出来てしまったケーキなので、私一人で取りに行く事に。

トランクに積んだケーキを気遣って、超安全運転。加速もブレーキもハンドリングも、教習所で仮免試験を受けるがごとき。

いつも通る坂道の勾配があんなにきつく感じたのは初めて。ケーキが滑り落ちるのではないかとひやひや。踏切りを横切るときの揺れもあんなにひどいとは今まで一度も気が付きませんでした(笑)。

しかし、なんとか無事帰宅。

こちらがやっとの思いで手に入れたトーマス。
駅舎と駅員さんもガチャガチャで出てきたものです。

緑色の機関車は以前甥っ子がウチに忘れて行ったパーシー。無断で使ってしまいました。

「ボクのだ!」
って、ケーキを見たとき思い出すかな?。
メッセージプレートとローソクを飾って記念撮影。

ガチャガチャで出てきた風車とか、クレーンとか、車庫なんかも飾りつけようと思っていたんですけど、フルーツとマロンクリームがたっぷりでそんなスペースはありませんね。
バーべキューもひと段落ついた頃、家族全員の目に触れないよう密かに隠しておいた今日の主役、ケーキの登場です。

「トーマスかなぁ、トーマスが入っているかもよ」出てきた箱に興奮気味の甥っ子たちを更に煽る。

「トーマス、トーマス、トーマス」
甥っ子たちのトーマスコールが始まるの中、勢い良く箱のふたを開ける。

家族の歓声。狂喜乱舞する甥っ子たち。

「トーマス、トーマス」と連呼ながらテーブルに上がってトーマスに掴みかかろうとする甥っ子たち。ケーキを守るため「ちょっと待ちなさい」と子供を抱き寄せる親たち。もう大混乱(笑)。

汽車を渡しても「ケーキの線路で走らせる」と泣き叫び収拾が付かない状態。
「何とかせねば、ゆっくりケーキも食えん」
その時、妙案が浮かんだ。
甥っ子たちの後ろの床に、ガチャガチャで出てきた『その仲間たち』のカプセルをぶちまける。

「それ、トーマスだぞ!」

ルアーに釣られるシーバスのごとく、転がるカプセルに飛びつく甥っ子たち。
両手に抱えきれないほどのカプセルを持ちながら、それでも床に転げまわるカプセルの所有権を「ボクの、ボクの!」と主張する。しかし、拾おうとすると抱えたカプセルがこぼれてしまうので、お互いけん制しあってる(笑)。
もはやケーキの事など完全に忘れてしまっているみたい。アホでよかった(^_^;)
カプセルを開けて仲良く遊び始める頃にはケーキのカットもスムーズに進行し始めていました。

親たちはプレートを見て自分たちの結婚40周年のお祝いであることに気が付く。そして妹たちもまた我が子の幼稚園合格祝いであることに気が付く。すべてを知っていたのは私だけ。

普通ならお互いケーキを買って来てこの場に2つのケーキが存在するはずだ。
2つの思いがひとつになったのか?。いや違うな、ケーキを買ってきたのは私だから、私が両方を祝福したか?。それも違う。お互いがお互いに内緒ということで私に打ち明け、私が独断で1つにまとめて・・・・・訳が分からん(笑)。

カットする時、指先に付いた生クリームをなめたら「ちょっと軽くて甘めかな」という印象でしたが、3層に切り分けられたスポンジの間に挟まった、たっぷりのフルーツと一緒に食べると心地良い甘さ加減。軽さはケーキが多少温かくなってしまったせいかも。

どちらかというと脇役的なスポンジも、しっかりとしたおいしさを主張していて、シフォンケーキとして主役を張れるくらい丁寧に作り込まれておりました。
スポンジに挟まれたフルーツの構成が一口一口微妙に違うので飽きが来ない。
私的にはキウイの味が広がる一口が一番のお気に入りでした。

みんなバーベキューで満腹だったのに、かなりの量を平らげた挙句「お土産」と称して、がっぽり持って行ってしまいました。
妹たちは女であり、もはやおばさんでもあったんだなぁ〜(笑)。

暗い箱の中からフタを開けられ明るいところに出されたとたん、沢山の人の歓声と明るい笑顔に囲まれてケーキも幸せだったかな?。
今日の日の思い出と共に、いつまでも忘れられる事なく、みんなの心に残るケーキになってくれた事でしょう。

また新しいケーキをみんなと迎えられる日が楽しみです。
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