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2005年9月25日 カナヘビ採集
3連休が2連発とはすごいカレンダーでした。
この連休を使って、千葉にカナヘビ採取に行ってまいりました。

「いまさら?」って声が聞こえてきそうですね(^^ゞ
カナヘビ採集に行ったというよりは、別の用事があったので少し時間を作り、カナヘビ採集の雰囲気を楽しんで来ましたと言った感じです。

ウチには親子合わせて沢山のカナヘビがすでにおりますので、ホントに採集を楽しむだけ。
キャッチ&リリースです。

東京から2時間弱の距離ですが、そこは私が住んでいる都会とはまったく違う里山の風景。
広い草むらがあちこちに点在しています。

東京でも埋立地のほうに行けば広い草むらは存在しますが、埋立地の草むらと、里山の草むらでは生命の密度が違う。里山の草むらは、一歩足を進めるごとに、イナゴが飛び出し、ガやヨコバエたくさん舞います。

バッタもいればカマキリもいる。カエルも跳ねれば、カタツムリも這っている。

「やっぱ里山はいいねぇ〜」

澄んだ空気を吸い込みながら、気持ちはすでに童心に返っていました。

さあ、さっそくカナヘビ採集開始です。

捕まえ方?いたってシンプルです。
ただ、野原をあてども無くさ迷い歩くだけ。

朝早い時間帯なら、日光浴に最適な場所を探せば高確率でカナヘビと出会えますが、昼下がりのこの時間だと、カナヘビも餌探しに散ってしまっています。

だから、ただひたすらカナヘビとの偶然の出会いを求めて歩き回るだけ。
カナヘビとの距離が1メートルくらいに接近できれば、カナヘビの方からシュルシュルッと動いて居場所を教えてくれます。

草を踏みつけるように歩いていると、体をくねらせ高速で動く生物を発見。
バッタやカマキリとは明らかに違う動き。いましたいましたカナヘビです。
私の足音に驚き、1メートルぐらい先を逃げていきます。

止まっては逃げ、止まっては逃げ。あたりを警戒しながら急いで避難しているようです。
私はその場で動かず、カナヘビが落ち着きを取り戻して止まるのを待つ作戦に出ましたが、
カナヘビは逃げる止まるを小刻みに繰り返して去っていってしまいました。

その次に遭遇したカナヘビも、落ち着きを取り戻す事なく視界から消えてしまいました。

「この作戦じゃダメだな」

じっとしている所を捕まえるのが生き物採集の鉄則ですが、カナヘビの場合、一度動き出すと再びじっとしてくれません。かといって草むらの中でじっとしているカナヘビをこちらが先に発見するのはほとんど不可能。

と、なると、やはり動いている所を捕まえるしかなさそうです。

逃げる止まるを小刻みに繰り返しながら逃亡するカナヘビのあとを慎重に追跡しながら、捕まえる機会をうかがいます。捕まえるのはもちろん素手。草が生い茂っておりますので網をかぶせたのでは下の隙間から逃げられてしまいます。

止まった瞬間に捕まえようとするのですが、止まっている時間が短くなかなかタイミングがつかめません。
「今がチャンスか?いやもう少し良いポジションで・・・」
そうこうしている内に、カナヘビを見失ってしまいました。

カナヘビは草むらに見え隠れしながら、直線的に逃げているようですが、実は草むらで見えなくなった瞬間、方向転換して、私の追跡を振り切っているようです。
しかも、草むらを踏みつければ驚いて飛び出していたにもかかわらず、一度見失うと辺り一面の草むらを踏みつけても決して出てこようとはしません。

頻繁に立ち止まって辺りをキョロキョロ見回すので、捕まえるチャンスなどいくらでもあるように思えるのですが、実はそうやって相手を油断させるのがカナヘビの作戦だったりして。
しかも立ち止まって見回しているのは、私をしっかり引き寄せ、方向転換するのタイミングをうかがっているのかもしれません。カナヘビはなかなか賢く手ごわい相手のようです。

追いかけては見失い、また追いかけては見失う・・・・。
追いかけていたのではダメなようです。

またまた作戦変更。今度は見つけた瞬間何も考えずにすぐに飛び掛る作戦に変更。
迷っていたのではいつまでたっても捕まえることは出来ません。

見つけたらいつでも飛び掛れるよう心の準備を済ませ、草むらの中を歩いていくと、1m先に驚いて顔を出したカナヘビを発見。間髪いれずカナヘビに向かって倒れこむようにダイブ。
カナヘビのいる一体を草ごと両手で押さえ込みます。

「捕まえたか?」

慎重に押さえている両手を少しずつ上げていくと、そこに草と一緒に押さえ込まれ、もがくカナヘビの姿が!。
「うお〜〜つかまえた〜〜」
完全に10歳の少年に返っておりました(笑)。

この戦法は的中しました。5割以上の確率でカナヘビを捕まえることが出来ます。
視界をさえぎる草が生い茂る中での事、なかなかの高確率だと思います。

3匹ほどのカナヘビを立て続けに捕まえて、上機嫌で草むらを歩いていると次の獲物を発見。
間髪いれず、獲物に向かって倒れこもうとした瞬間、その獲物がカナヘビではない事に気が付いた。カナヘビにしては大きすぎます。

「ヘビだ!」

うわっ、危なくヘビにダイブするところでした(笑)。
危機一髪、危ないところを回避できたと胸をなでおろしながら注意深く観察してみると、それはヘビではありませんでした。足が生えていて長さも全然短い。

「もしかして・・・・とかげ?」
ずんぐりとした胴体、そして独特の光沢。どうやら日本トカゲのようです。

「トカゲだ」緊張が走ります。私にとってカナヘビよりトカゲのほうが価値は上。
なんてったってトカゲの方がデカイし、トカゲの方が強そう。単純ですが、子供頃の価値観なんてそんなもんです(笑)。それにあの金属のような光沢もかっこいい!。

今までに増して気合を入れ、勢い良くトカゲにダイブ。
草の上に乗っていたトカゲを見事両手でつかむように捕まえました。

「うお〜〜、捕まえたぞ〜〜」

ニュルッとした感触に一瞬眉をひそめかけましたが、私はもはや30過ぎのおじさんではなく、ただ純粋にトカゲにあこがれていた10歳の少年になっておりました。

触感なんて何のその。気が付けば、トカゲをしっかり握り締めた両手を天高く突き上げて、
勝利の雄叫びを上げていました(笑)。

さすがにでかいです。長さを比べればカナヘビのほうが長いですが、トカゲには、鉛筆程度の太さのカナヘビにはない重量感があります。

見よ、この太さ、そして精悍な顔つき。
まさに草むらの王者の風格です。

その後もう一匹、まだ若くて美しいトカゲを捕まえる事が出来ました。

童心に返り、夢中になってカナヘビを追い掛け回していたら、いつの間にか1時間もの時間が経過しておりました。

これが今回の成果です。

日本トカゲが2匹に日本カナヘビが9匹。
なかなかの成果でしょ。
里山の生き物採集だったら、まだまだ若いもんには負けられません(笑)。

カナヘビが見えるようにバケツを持って記念撮影・・・・
と、行きたかったのですが、これ以上近づく事が出来ません(^_^;)

と、言うよりこの距離ですでに限界を超えていて、完全に泣き顔になっております(笑)。

「指差して」って言ったら、恐る恐る差しましたが、ものの3秒ほどで恐怖のあまり指を丸めてグーにしてしまいました(爆)。

私の指に噛みついたカナヘビを見せながら、全然痛くないのに「イテテテテーッ」って叫んでいたのがいけなかったのかな。私的にはハプニングとかボケのつもりだったんですけど(^^ゞ

楽しませてもらった生き物たちとお別れです。

写真は今回一番のお気に入りの日本トカゲ。
まだ若いトカゲで、尻尾の青い金属的な光沢がなんとも美しい個体です。

捕まえては歓声を上げ、また捕まえては歓声を上げ。
童心に返るとはまさにこの事ですね。
最近忘れかけていた、とても楽しいひと時を家族と共に過ごす事が出来ました。

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