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2007年9月2日 冷風扇
冷風扇・・・・なんだそりゃ?。

う〜ん、なんて言ったらいいんだろう。簡単に言うと、扇風機の前に冷たい水の入った洗面器を置いて、扇風機から出てきた風が、洗面器の水面を吹き抜ける事によって、さらに冷たい風になるといった原理の装置。

ちょっと前に話題になって、現在でも沢山の種類の冷風扇 が売られています。

もう少し冷風扇の原理を詳しく書くと、ただ単純に風が冷たい水に当たって冷やされるのではなく、水が蒸発する時、大量の熱を奪っていくため、風が冷やされるという原理になっています。

確かに、出てくる風は多少冷たくなっているでしょうけど、水を気化させている訳ですから、こんな物を真夏の締め切った室内で使ったら、湿度がとんでもなく上がってしまい、かえって体感温度が高くなってしまうでしょう。暑くてカラカラに乾ききった砂漠のような場所では、かなり効果的でしょうけど、じめじめした日本の夏にはちょっと使えそうもありませんね。

夏場の温度対策として、安くてコンパクトな冷風扇が使えるのではないかと、あちこちで声が上がっていたようですが、その構造と日本の夏の特徴を考えて、とても使えそうも無いという判断を下しました。

しかしこの冷風扇、奇遇にも同じ原理で、まったく違う使用目的と、まったく違う名称で我が家にやってくる事になりました。

加湿器

そう、気化式とか、ヒーターレスファン式などと呼ばれている加湿器です。

排出される空気が冷たいという考え方は捨てて、湿っているという事に着目して作られた製品です。

電気代が安いとか、子供が火傷をしないなどといった特徴があるようです。

ただ、スチーム式に比べると加湿能力が劣るのが欠点。
しかし、私にとっては、その欠点を補って余りある利点がありました。

気化式の加湿器の構造は先ほど述べたように、至って簡単。

表面積を多くする事によって水が蒸発しやすくなっているスポンジに沢山の水を含ませ、そこに風を当てて水分を蒸発させるというもの。

スポンジは常に湿っていますので、この構造だと、空気中に含まれるゴミなどはスポンジにくっついてしまいます。となると、あの憎き花粉も、湿ったスポンジにくっつき、やがて水に溶けてなくなってしまいます。

そう、気化式の加湿器は、加湿器だけでなく空気清浄機にもなるんです。
加湿も出来る、花粉も取れる・・・となれば買わない手はないですよね。
冬の間は能力の高いスチーム式の加湿器を使うにしても、春先、花粉が飛び始めたら気化式の加湿器で加湿しながら花粉も除去。なんか夢の様な話です。

というわけで、我が部屋に空気清浄機・・・・じゃなくて加湿器がやってまいりました。
そして今年の春先は花粉除去と加湿の一台二役の大活躍をしてくれました。

しかもこいつは使い方によっては空気清浄機にもなり、加湿器にもなり、冷風扇にもなるという優れもの。せっかく高いお金を払って買ったのですから、幼虫の割り出しも一段落付いたこの時期に、最後の冷風扇の機能について、実験する事に致しました。

久しぶりに加湿器を引っ張り出し、温度計などをセットし、水を入れて運転開始。
しばらくすると予想通り、排出される空気の温度がどんどん下がっていきます。

「どれくらい下がるんだろう」

体感的には5℃位は下がっているように感じられますが、風の勢いが強いので、実際にはそれ程温度差は無いのかもしれません。とりあえず、温度計が安定するのを待つ事に。
30分ほど「強」で連続運転させたあと、温度計を覗いてみると・・・・

「26℃か・・・」

室温は29℃。
かなり微妙な温度(^_^;)
しかし、3℃下がっている事は確かです。

狭い温室の中なら、温室内がすぐに26℃になり、その26℃の空気を吸い込んで気化させる事により、更なる温度の低下が期待できるかな?。

「う〜ん」

狭い温室内では、温度低下より湿度上昇の方が顕著になり、やがて気化効率が下がって、ただの扇風機になってしまうでしょうね、きっと。でもまあ、乗りかけた船です、とりあえずこの加湿器・・・・じゃなくて冷風扇を温室の中にセットして実験してみましょう。

「ふぉ〜〜〜ん」

温室内で運転すること1時間。

温室外の温度は相変わらず29℃のまま。
多少の期待を胸に、温室の扉を開けて温室内の温度計を見ると・・・・28℃。

おいおい(^_^;)

最低気温も28℃でしたので、冷風扇を1時間回して下がった温度は、たったの1℃という事のようです。

冷風扇の排気口の上に置いてある温度計を見てビックリ。なんと28℃になっているではありませんか。

そう、吸気も排気も同じ温度。

物理的に考えれば、湿度が高くなりすぎて、この冷風扇の能力ではもうこれ以上気化させる事が出来ないという状態なんでしょう。

だから吸気も排気も同じ温度。

確かに温室の扉を開けた時、肌で感じ取れるほど、温室内の空気は湿っていました。

と、言うわけで今回の実験のまとめ。

「冷風扇は夏場の温度対策にはならない」・・・・(笑)。

水の代りに氷水を入れたとしても、温室の持つ熱量と、タンクに入った氷水の量を考えると、ほとんど焼け石に水。夏場の温度対策は、残念ながらそれなりの設備が必要なようです。


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